| 対象地域と研究テーマ |
| 研究の対象地域は南インドですが、最近そこから移民した人々が住んでいるインド洋の島々にフィールドが広がっています。研究テーマはもともと「村の寺院から現代インドにおけるカーストと親族の問題を考える」というものでしたが、これもまた最近、「サリーファッションから現代インドを考える」に移りつつあります。いずれにせよ、ダイナミックに変動する今日のインド社会は文化人類学のフィールドとしてとても面白く、また難しいところです。 |
| フィールドの概況 |
タミルナードゥ州南西部の農村地帯でフィールド調査をしていました。ここは広大な乾燥地が広がる雑穀栽培地帯でしたが、近年、大規模潅慨が導入されて稲作が出来るようになりました。ほかに、綿花、落花生、ターメリックなどの換金作物が栽培されています。
この地域の人々は、タミル語を話します。といっても、同じ村のなかに、テルグ語やウルドゥー語を話す人たちも暮らしています。ヒンドゥー教徒が多いのですが、イスラム教徒も、カーストが違うと生活習慣が違います。地主がいて、農業労働者がいて、寺院司祭、床屋、洗濯屋、壷作り、星占い師がいて、寺院の前には乞食もいます(余談ですが、乞食のお婆さんには、結構世話になりました)。季節になると篭作りや椰子酒作りもやってきます。そうそう、オウム占い師もいました。とまあ、いろいろな仕事をする人が集まって、村の生活は成り立っています。
さて、村の食べ物といえばカレーです。カレーとは、「おかず」つまりカレー味の煮付けのことです。お客さんの日には、羊のカレーだったりしますが、普段は野菜中心の健康食です。数年前から、土曜日に床屋が肉屋を開くようになったので、村の人が肉を食べる機会も増えました。そうした「おかず」をつまみながら、一杯目のご飯には味噌汁にあたる豆のカレーをかけて、二杯目は澄まし汁のようなトマト風味のスープをかけて、三杯目はヨーグルトをかけて食べるというのが、お昼のフルコース。というわけで、フィールドに行くと太って、太って。これが悩みの種、フィールドで辛かったことです。ちなみに、村での「こんにちは」に相当する挨拶は「食べた?」「食べたよ」です。 |
| フィールドの人々と |
| 村では、専属の写真屋として位置づけられていたようです。やれ祭りだ、結婚式だ、葬式だ、偉いさんが来たと、よくお呼びがかかりました。村の人たちには、本当によくしてもらいました。フィールドで楽しかったことといえば、よい友人に巡り会えたことにつきると思います。インドでものを取られたという人の話をよく聞くけれど、星子ほど、ものをもらってくる人も珍しいと、あきれられたほど。前世は、インドの乞食だったかも。 |
| 新入生へ、「文化人類学を学ぶため」のアドバイスを |
| 高校生(生徒)と大学生(学生)は、まったく違います。今、この瞬間、自分が「現代」の「日本」社会に穿たれた大きな溝を飛び越えつつあることを自覚し、じっくりそこから世界を見て考えること、これが体験しつつ学ぶ文化人類学の第一歩です。 |
| 新入生へ、1年次の授業をどのように進めるか |
| ビシバシ、ビシバシ、やりたいなー。根性あるかなー?担当は、「自文化を考える」です。 |
| 編入生へ、3年次の授業をどのように進めるか |
| なんでもありの学問の面白さと背中あわせの厳しさを、実践的に学んでもらうことから始めたいと考えています。 |