学部・大学院

大学院 文化人類学研究科 インタビュー

研究科長インタビュー

文化人類学研究科長 金 基淑

文化人類学は民族、文化、社会などを対象として人間のさまざまな営みを研究する学問です。そのため、研究テーマは衣食住、生業、家族・親族、儀礼、宗教、言語、医療・福祉、芸能、さらには現代社会のさまざまな事象にまで多岐にわたっています。
グローバル化が加速化する今日、ひと・もの・情報などが地球規模で動いており、国内にいながら異文化と接する機会が格段に増えています。海外に行かなくても外国の映画や音楽や食べ物などと日々接していますし、また地域社会はもちろん、教育、仕事の場に外国出身者がいるのが当たり前となっています。このように世界との距離は近くなりましたが、異文化理解や他者理解のほうはどうなのでしょうか。接する機会が増えた分だけ相互理解も深まっているのでしょうか。国内外で起きている個人や集団間のさまざまな葛藤や衝突をみていると、多文化共生の道のりにはまだまだ課題が多いように感じます。正しい知識に基づいた相互理解、相互尊重なしには他者との共生・共存は難しいと思います。文化人類学的研究は、世界のさまざまな価値観や考え方、生き方などへの理解を深める入口を提供しうるといっていいでしょう。
本研究科では、世界の諸地域の文化、現代社会の諸事象について学ぶことができます。修士論文の執筆には文献資料のほかに、自ら現場に出向いて調べるフィールドワークが重視されます。在籍中にぜひ質の高いフィールドワークを実践することを期待しています。

修了生インタビュー

この大学で学んだ調査の方法論を活かして。

私は文化人類学研究科を修了したのち、立命館大学大学院に進学して、2010年3月に博士号を取得しました。修士課程以来、中国人の戦争・植民地経験について研究してきました。毎年中国大連市で現地調査を実施し、戦争・植民地経験を持つ中国人にインタビューを繰り返してきました。センシティブなテーマであるため、現地調査では慎重さが求められますが、文教時代に学んだインタビューの作法やフィールドワークの方法論がとても役立っています。

より多くの人の健康に貢献するために。

医薬品の開発支援を行う企業で、医薬品の安全性や有効性に関するデータの分析などを行っています。さまざまな国・地域の人と一緒にプロジェクトに取り組むことが多く、大学院 文化人類学研究科で培った「文化の多様性や異文化を理解して共生の道を探る力」が仕事にも活かされています。
中国では看護師として働いていましたが、多くの患者さんと関わるなかで、生まれ育った文化の違いが人の考え方や行動に影響を与えているのではないかと思うようになり、自分の視野を広げるために日本の大学院へ進学しました。 大学院の研究テーマは「風呂文化と沐浴文化」。公衆浴場の利用目的や利用方法について日本と中国の比較研究に取り組み、フィールドワークでは日本の公衆浴場での入浴時のマナーなどを調査。そのなかで、日本の「清潔/不潔」「上/下」「中/外」の概念について理解を深めることができました。こうした研究のなかで、文化の違いや共通点を理解するとともにコミュニケーション力も鍛えられました。大学院での学びと経験は、これからの社会の変化に柔軟に対応していく力になると思います。

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