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Vol.1 箱庭の巨匠、岡田康伸先生に お話を伺いました。

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● 自分で箱庭を作る

院生:
学部や大学院で先生の受け持たれている授業についてお伺いできますか?
岡田:
学部ではゼミと箱庭の実習(臨床心理学実践演習)をやっていますね。それから、大学院の方では、博士前期課程のゼミと集中講義(深層人格心理学特論)、ケースカンファレンス、そしてインテークカンファレンスかな。それと、ドクター(博士後期課程)のカンファレンスも受け持っていますね。まぁ、ドクターの授業は自由な形ですけど。
院生:
先生の担当されている授業の魅力であるとか、ここが良いよというところはどういうところでしょうか?
岡田:
そら、やっぱり箱庭の実習でしょうね。(自身が)箱庭をずっと研究テーマにしてきたっていうのもあるし、それから、学生の方も少人数の授業で、自分で作って考えていくことができるというスタイルの授業だから。これが一番アピールできるかな。
院生:
実際に箱庭を作って、岡田先生と一緒にシェアしていただくという感じなんですか?
岡田:
そうやね。作っている時はあまり何も言わんと、(学生が)2人がペアになって、作っている側と見守る側の役割をやるんです。もちろん交代してどちらの役割も体験する。講義の組み立ては最初の授業では箱庭療法の説明をして、残りは箱庭作成の実習をして、最後1回は5回を通して見わたすというか、各メンバーの作品を最初から見て5回でどう変化したかを考える。まぁその時はコメントをします。本人がどういうことを考えたかをまず基本にして、その後、気が付いたことかな、そういうことをコメントしていきます。

● 研究テーマは箱庭

院生:
先生の研究テーマが箱庭ということでしたが、そこのところについてもお聞かせ願えますか?
岡田:
研究の中心は箱庭と考えていて、若い頃は箱庭の基礎的な資料・データを集めていました。今はそれを使って、院生の訓練とかしているという感じかな。
それと、カメルーンとかオーストラリアとか行って外国の人の作品なんかを取ってきて、それを日本人のものと比較しながら、共通性と差異性を見ています。まだ、カメルーンの資料を整理してないんだけど。
それから、イメージを使ってセラピストの訓練を考えていますね。後まぁ、実際のセラピーはずっと続けていて、忙しいときでもできるだけ途切らさないように気をつけて続けていますね。それでも、最近はどうしてもスーパーヴァイズの方が多くなってきていて、いわゆるクライエントというのは少なくなってきています。
院生:
若い世代の育成というか、そちらの方面で活動されることが多くなってきてるんですね。 箱庭の授業についてなんですが、先日、大学院の集中講義でも訓練の一環で箱庭の実習をさせていただいて、その中の1つに通常の箱庭作成ではなく、自分の過去・現在・未来を表すフィギュアを画用紙に置いていくというものを体験させていただいたんですけれども、あれは先生が独自にやられている箱庭の実習方法なんですか?
岡田:
過去・現在・未来を最初にやり始めたのは、誰だったかはちょっと思い出せないなぁ。でも、僕かもしれないねぇ。ただまぁ、自己像、自己とか自分とか考えたときにそれを何かに例えるというのはよくあるわねぇ。
昔、IMQ(Image Question)というのを作るのに協力したんだけど、それは「自分を動物に例えると」とか、「自分を植物に例えると」とか、「自分を動物、植物以外に例えると」という3つの例え方に分けて、それが何であるか問うて、という感じのものなんだけど。自己というものを何かに例えるというのはずっとやられてることなんだけどね。それを箱庭のおもちゃを使ったのは僕かもしれないし(笑)、誰かかもしれないし、ちょっとはっきり覚えていない(笑)。まぁ僕やろうと思うけど。でまぁ、自己とか自分を考えてもらうきっかけにするというかな。過去の自分はどうやったやろうか、今の自分はどやろとか、未来・将来はどんな自分になるやろうかとかね。
まぁ直接そういうことを考えてください、って言ってもいいんやろうけど、そこで動物に例えると、そこで一つ何というか、曖昧になる代わりに、自分というものを広く考えられるというか。曖昧に広く考えることで、もう少しクリアになるといか、そういうふうなものを期待してやってるんやけどね。
それと後は、空間っていうことも面白いよね。四つ切りの紙で、過去・現在・未来の場所を指定してっていうね。今までの資料を整理して、「ここのセンター紀要(注1)に載せてやろう」と頑張ってるんだけど、なかなかうまく進んでないけど(笑)。
そういう空間あるいは過去・現在・未来っていう時間、時間も面白いよね。それぞれがどういう風に接しているかとか接してへんとか、含まれてるとか。あんまりないけども、過去を中心においてその周りを現在で囲んで、そのもうひとまわり外を大きく未来で囲んでっていう人もいたけどね。未来は、全部を含んでいるっていうね、そら、一理あるわね。現在も過去も全部含んで、それも含んで未来って感じでね。大部分の人は過去・現在・未来と並べるんだけど、左下が過去で真ん中が現在で右の方が未来で。逆の並びもあるね。未来の方が左の上にきてっていう感じで。まぁ色々やけども。結局は、箱庭の箱の空間というかな、そこに(関心が)あるんだけどね。
注1:センター紀要…臨床心理研究−京都文教大学 心理臨床センター紀要
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