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Vol.3 ”傷美”に心を学ぶユング派分析家
秋田 巌先生にお話を伺いました。

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● 「両雄並び立つ」思想

秋田:
それと日本では両雄並び立つということがあります。特に古典芸能ではね。両者が並び立つところを見せるということがある、特に歌舞伎ではそうです。両雄並び立つ思想とでもいうべきものが古典芸能では表現されている。これは世界に誇ることが出来ると思います。一概に言えないけど、西洋で多いのは、どちらかが勝って、どちらかが負けて、勝って万歳ということだけれども、それではね、片方が強い方の“個性化のいけにえ”にしかなれないのです。どんなひどいのでもね、ちゃんと並び立てるんですよ、歌舞伎では。
「両雄並び立つ思想」とこれは勝手に命名したんだけれども、そういうものが日本の古典芸能にはあるという。影も自我も並び立つということです。それはまた逆に言ったら、褶振狂舞にもつながっていくんですけどね。
あるいは、相撲なんかでも、両横綱というでしょう。こういうのは、外国では考えられない。チャンピオンは1人だけれども、日本では2チャンピオンズが並び立つというね。いよいよ強いものが、並び、睨み合う。そこに拍手喝采するという。どちらが勝ったか負けたかは二の次なのです。強いもの同士が睨み合って、さあ勝負するぞというその緊張感に楽しさがある。一人の横綱に決めないというところが、私は素晴らしいことだと思います。

● これから臨床心理学を学ぶ人へ

院生:
これから臨床心理学を学ぼうとしている学生へのエールをお願いします。
秋田:
全く新しい学問で、自由な土台が許される。僕だったら、Disfigured Heroという概念と、古典芸能を土台としてやっているわけです。そういう自由な土台が許されるということは、本当にありがたいことなんですよ。そういうところだから、本当に自分らしくなっていきたい人は臨床心理学部へどうぞ、と自信を持って言えます。それが許される場であり続けることが本当に大事なことだと思います。
院生:
ありがとうございました。
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