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Vol.4 「精神保健のエキスパート」吉村先生に文教の院生がインタビューを行ってきました。

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● 京都文教大学というところ

院生:
京都文教大学に来られて何年目になられますか?
吉村:
ちょうど…5年目でしょうか。
院生:
先生は京都文教大学の学生の特徴をどう捉えていらっしゃいますか?
吉村:
私自身は現場経験が長く、その間、社会人として大学院の修士・博士課程を卒業していますが、それまでは大学という場所には長らく足を踏み入れていませんでした。また、教員の立場で大学に入るのは京都文教大学が始めてでした。まず、驚いたのは、自分が学部生だった時代に比べての大学の清潔さ・静かさです。そして、学生は礼儀正しく、人柄がいいですね。とくに臨床心理学部の学生は優しくて気立てのいい学生が多いと感じます。

● 現場から研究へ

院生:
先ほど先生は、社会人から大学院に入ったとおっしゃいましたが、入る前は何をされていたのですか?
吉村:
私は、大学で心理学を専攻しましたが、その後OLをしていました。しかし、当時まだ男女雇用機会均等法が無かった時代であり、女性が長く続けられる仕事というのは限られていたんですね。とくに強く心理職になりたいと思っていたわけではないのですが、当時から長く続けられる仕事をしたいとは考えてはいました。そして、たまたま縁があって心理職の仕事を得ることができました。
初めての心理職の現場は、児童福祉、障害児の臨床現場でしたね。今で言う、重度の発達障がいのお子さんであったりとか、筋ジストロフィーのお子さんであったりとか、難病の子どもたちとかが通っていらっしゃる療育施設の心理士として働き始めたんです。
母子が共に通園されて、お母さんのカウンセリングやグループアプローチと、子どもたちへの援助をやっていました。その施設で働いている中で次第にソーシャルワークが必要だと実感するようになってきたんです。
施設の中では、充実したリハビリが行われているけれども、施設を退所されたお子さんたちがどういう人生を送るのかについては、スタッフもイメージしていなかったんですね。そういった中で、私はもっとソーシャルワークについて勉強したいのと、子どもたちが施設を出た後の生活が気になったので、自分から希望して成人期の精神障害の人たちのソーシャルワークにあたる当時の精神衛生相談員になりました。精神保健福祉士が国家資格化される以前のことですね。
院生:
それから大学院に入られたのですか?
吉村:
大学院に入ったのは、もう少し後ですけどね。
社会人として院に進学して、修士号は社会福祉学で、博士号は臨床社会学的な視点での研究でとりました。
臨床社会学には、臨床活動を社会学的な文脈から捉えるという視点があります。また、障害を従来とは異なった見方で捉える障害学Disability Studiesという分野もあります。障害を社会・文化の視点から研究する障害学は英国のマイケル・オリヴァー(Michael Oliver)等が唱えたものですが、90年代からそのような視点からの研究が日本でも見られるようになりました。特に障害当事者のなかからもそのような研究者が現れて、従来の障害者観を当事者の目から捉えなおすという流れが出てきたことに興味をもちました。
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