近代科学は16世紀から17世紀に、ガリレオ、ニュートンらによって天文学から物理学がまず成立しました。ミクロな世界を探求する化学はそれより1世紀も遅く18世紀半ばです。同じ頃、解剖学が始まり近代医学が誕生しました。しかし、人間にとって一番身近な心理学は、ずっと遅く、19世紀半ば物理学から分かれる形で出てきました。これが実験心理学です。他方、臨床心理学はそれよりさらに半世紀も遅く、20世紀はじめに医学領域で始まりました。発見がむずかしかった、遅いということは、それだけ繊細、微妙な学問だということです。この学問の本質は、対話の重要性を再認識したことにあります。長期にわたる根気強い対話を通して「自分自身を知る」と同時に「相手を知る」ことです。人類は20世紀になるまで、このような粘り強い対話の重要性を真の意味で知らなかったのです。
その誕生から約1世紀後、2008年4月、本学は、日本最初の臨床心理学部を作り上げました。これは21世紀に向かって新しい学問分野の成立を宣言するものです。おりしも社会は、心の問題を扱うことのできる質の高い専門家が求められています。本研究科は、心理臨床専門家を育てる最良の教育環境となるでしょう。
●臨床心理士になるには…
臨床心理士になるには、(財)日本臨床心理士資格認定協会が指定した大学院へ進学しなければなりません。この指定大学院には「第1種大学院」と「第2種大学院」があり、臨床心理士資格を持つ教員数や、学内の実習施設の有無などによって第1種か第2種かが決まります。本学の大学院・臨床心理学研究科は第1種大学院に指定されているため、大学院を修了と同時に臨床心理士の資格認定試験の受験資格が認められます。
●臨床心理士とは…
臨床心理士は、「心の専門家」の最高峰の資格。病院、学校や地方自治体が運営する児童・教育相談所、企業の相談室などでカウンセリングをはじめとした専門的業務を行っています。