所長あいさつ

人間学研究所所長挨拶
京都文教大学人間学研究所所長 平岡 聡

 京都文教大学は1996年、呱々の声を上げた。当初は人間学部の一学部でスタートし、その人間学部は文化人類学科と臨床心理学科というユニークな二つの学科から構成されていたが、本研究所は開学と同時に発足した、本学付置機関としては最古の歴史を有する。
 「人間学研究所」という名前は、当時の学部名、すなわち人間学部に由来し、「京都文教大学人間学研究所規程」によれば、「京都文教学園の見学の理念に則り、人間学の総合的な学術研究を行うことを通じて、文化の発展に寄与することを目的とする」と謳われている。大学設置の趣旨を見ると、文化人類学科と臨床心理学科との二学科で人間学部を構成する理由として三点が挙げられているが、それを簡略に示せば、次のとおり。

  • (1)仏教精神に基づく人間教育・人間研究を一体的に推進する大学を目指す
  • (2)若い人のかけがえのないトポス(「おとな」になるための学問の場)を提供する
  • (3)学術研究における確かで豊かな収穫を見込める

 この理念を文化人類学と臨床心理学のシナジーによる学際研究に特化して推進するために設置されたのが、本学の人間学研究所なのである。20年の歴史の中で、学部学科組織は変化したが、人間を「心」のレベルで深く理解する臨床心理学部と、人間を「社会」のレベルで広く把握する総合社会学部は、同じく人間理解に関わる点で、開学当初と大きな違いはない。
 ただ、人間学部がなくなった今、本研究所の名称を含め、その機能・役割についても検討が必要な時期にきている。昨年、20周年を迎えた本研究所は、次の20年、あるいはその先をも見すえ、人間学研究所が京都文教大学の研究の拠点となるよう再構築する予定である。