この「(人と人を結ぶ)地域まるごとミュージアム」は、地域に存在する文化資源を発掘し、収集し、展示する従来のミュージアムの概念を新たに構築し直す試みである。まず人間の活動と成果すべてを「文化資源」と考えている。従来のミュージアムが対象としてきた考古学的・歴史的な事物や建物のみならず、現在まで伝わる口承伝承や身体的活動、今日創造されているものと、その製作活動そのもの、また人による収集活動という行為そのもの、そして社会的な活動や芸術的な創造行為などすべてを「文化資源」と考え、当ミュージアムの対象としている。
ミュージアムとしては、場・空間が固定している建物ではなく、いつでもどこからでもアクセスできるヴァーチャル・ミュージアムを構想している。このミュージアムは建物を中心にした事物の展示で完結するのではなく、地域の人々がそれぞれの場所で自ら文化資源と関わるとき、その活動を地域の中に位置づけ地域にとっての意義を明確にし、また活動する本人にとっての意味をも明らかにするために機能するひとつの核になるものと考えている。そして本ミュージアムのなにより重要な目的は、「地域」の文化資源と様々に関わるなかで「人と人が結びあう」契機を創出し、提供することである。 |