この「(人と人を結ぶ)地域まるごとミュージアム」は、地域に存在する文化資源を発掘し、収集し、展示する従来のミュージアムの概念を新たに構築し直す試みである。まず人間の活動と成果すべてを「文化資源」と考えている。従来のミュージアムが対象としてきた考古学的・歴史的な事物や建物のみならず、現在まで伝わる口承伝承や身体的活動、今日創造されているものと、その製作活動そのもの、また人による収集活動という行為そのもの、そして社会的な活動や芸術的な創造行為などすべてを「文化資源」と考え、当ミュージアムの対象としている。
 ミュージアムとしては、場・空間が固定している建物ではなく、いつでもどこからでもアクセスできるヴァーチャル・ミュージアムを構想している。このミュージアムは建物を中心にした事物の展示で完結するのではなく、地域の人々がそれぞれの場所で自ら文化資源と関わるとき、その活動を地域の中に位置づけ地域にとっての意義を明確にし、また活動する本人にとっての意味をも明らかにするために機能するひとつの核になるものと考えている。そして本ミュージアムのなにより重要な目的は、「地域」の文化資源と様々に関わるなかで「人と人が結びあう」契機を創出し、提供することである。
この「地域まるごとミュージアム」のホームページの立ち上げと、その中で紹介する活動を支える財政的な基盤は「『(人と人を結ぶ)地域まるごとミュージアム』構築のための研究」(課題番号15320123)平成15年度〜平成18年度科学研究費補助金(基盤研究(B)(2))に拠っている。そして京都文教大学文化人類学科の教員4名(杉本星子、松田凡、森正美、橋本和也)が宇治地域の人々との協働作業によってプロジェクトを遂行している成果や過程がこのホームページには掲載されている。
地域の活性化のために京都府宇治地域の人々と地元の大学の学生・ 教員がともに参画し実践している活動を紹介している。