あーゆす12号3頁

私 の す す め る 3 冊
「動物」、「植物」、「人間」に関する啓蒙書をそれぞれ1冊ずつおすすめします。
教授(幼児教育学)  照 屋 敏 勝
1 『ゾウの時間ネズミの時間 : サイズの生物学』 本川達雄 著 / 中央公論社
大変すぐれた啓蒙書である。サイズというキーワードで動物の特性が解明されている。人間はエネルギーの消費量からすると、巨象に相当するという。人間がいかにアンバランスで、特化し、肥大化した動物かということがよくわかる。本川先生のご専門は動物生理学であり、琉球大学にもおられたので、『サンゴ礁の生物たち』(中公新書)というご著書もある。
2 『ふしぎの植物学 : 身近な緑の知恵と仕事』 田中修 著 / 中央公論社
動物も植物も「不思議!?」に満ちている。そのふしぎをしることはたいへんきょうみぶかいことである。保育や教育も植物学からたくさんの概念を借用している。「成長」、「めばえ」、「すくすく」、「根ざす」、「結果」など多くの植物モデルの概念が使われている。田中先生のご専門は植物生理学である。先生の講義を一度拝聴したことがありますが、示唆的で、触発されるものが多かった。
3 『豊かさの精神病理』 大平健 著 / 岩波書店
豊かさも過剰になると、マイナスに作用する。豊かさのもたらす精神病理が多様な実例で紹介され、分析されている。モノについて際限なく語る「モノ語り」の人々が多数登場する。ボーナスが出るたびにヨーロッパにブランドものを買い出しにでかけるOLの話などおどろきである。モノによって自信をつけた人はモノによって自信がおびやかされる。大平先生は精神科医である。

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