あーゆす1号1頁

文にこもる命 字にこもる力
図書館長  照 屋 敏 勝

自分の番

父と母で二人
父と母の両親で四人
そのまた両親で八人
こうしてかぞえていくと
十代前で一○二四人
二十代前では
何と百万人を越すんです

過去無量のいのちの
バトンを受けついで
いまここに自分の番を
生きている
それがあなたのいのちです
それがわたしの
いのちです         (相田みつを)



いのちは「生(い)の血(ち)」であり、「生(い)の力(ち)」であり、「生(い)の霊(ち)」である。つまり、いのちは血であり、力であり、霊性である。「霊性」は純化された魂である。

生命誌研究館副館長で生物化学者の中村桂子氏によると、生物の生存を規定している要素は3つであるという。

1つは、循環である。生物は発生してから無限のくりかえしを続けながら現在に至っている。その過程で進化も起った。反復やくりかえしは、われわれの生活や学習や生涯においても重要である。
2つは、組み合せである。生物は多様な組み合せによって生物の多様性と複雑性を獲得してきた。
組み合せは変化と発展の基礎であり、組み合せによって新しい価値や特性も生まれてくる。
3つは、可塑性である。生物はそれぞれ何らかの可塑性をもっている。それゆえに、いろいろな環境に適応している。環境が変化すれば変化した環境に適応する。新しい環境の中で新しい可塑性を獲得する。

生物の中で最も大きな可塑性をもっているのは人間である。したがって、人間は環境への適応も「順応」ではなく、「創造的適応」であり、「変革的適応」である。

その適応能力や可塑性、あるいは創造性を高めることが教育の大きな課題である。

中央教育審議会は、「21世紀を展望した我が国の教育の在り方について」(答申)の中で、新しい教育理念として「生きる力」の育成を最も強調している。それは子どもたちの「生きる力」が衰弱してきているからである。

知は力である。「生きる力」の1つは知の力である。知のエネルギー源の1つは書籍である。1冊の本の中には、1人の人間の知識や知恵だけでなく、人類が長い歴史の中で蓄積してきた叡智も含まれている。何らかの命と力が必ず宿っている。

「いまここに自分の番を生きている」、このいのちをどうするか。学びはいのちの問題である。

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