あーゆす4号4頁

『チーズはどこへ消えた?』を読んで
食物栄養専攻2回生  江崎しのぶ

私は今まで感想文を書く時以外は、全く読書をすることはなかった。しかし、今、テレビや新聞などで話題になっている「チーズはどこへ消えた?」という本を書店で見つけた時、思わず興味が沸き手に取った。

この本の中心は、私たちみんながもっているねずみの単純さと、小人(人間)の複雑な物事の考え方の違いを示している。ねずみは単純な頭脳をもっているため、変化に直面した時、自分自身も変化し、すぐに行動をおこす。けれども小人は、発達した頭脳と人間らしい感情のために、ためらってばかりいてその変化にすぐに適応できず、より物事を複雑に考え込んでしまう傾向がある。このような両者の大きな違いに読んでいるうちに吸い込まれていくような気がした。

主人公のヘムは、何か変化が起こった時にその変化を恐れ、恐怖心の方が先に立ってしまい、行動を起こすことができず立ち止まってしまう。このようなヘムの性格は、私にも共通して言えることだと思う。一方、同じ人間でもホーのように、初めは変化を恐れ対応できなくても、次第に変化の波に乗り前向きに気持ちを切り換えることができる人もいる。このような人を私も見習わなければいけないと思う。

変化とは、「何かを失うことではなく、何かを得ることである。」と本文に書かれているように、その人の気の持ち方次第で良くも悪くも変わっていくものである。恐怖心を乗り越えることはなかなか難しいが、それを乗り越えることによって道が開かれ、より楽な気持ちになれると思う。私たちが自分の心の中につくりあげている恐怖は、実際に起こっていることよりもはるかにひどいものであるということを実感した。私自身ほんのささいな問題を深刻に考えすぎてしまい、落ち込み悩んでしまうことが度々ある。人間である限り複雑に考え込んでしまうことはよくあるが、しかし、いつも複雑な物の見方や考え方、感情にばかりとらわれていては前進することができない。時にはネズミのように思ったままにすぐに行動を起こす単純さが必要なときも数多くある。

変化や恐怖心とうまく付き合い、「新しいチーズ」(人生)を描き、自分がそれを手にいれたところをイメージすることによって、恐怖心よりも変化を起こそうという気持ちが起こり、よりよい方向へと向かっていくことができると思う。現在の状況にばかりとらわれず何事にも勇気を持って挑戦しようとする姿勢こそが重要なことであるように感じた。

私はこの本を読んで、一つの視点からだけ物事を見るのではなく、いろいろな角度から見ることによってまた違った物の見え方があり、新しい道が発見されるということを学びとった。すべてが気の持ち方次第であり、どう考えるかによって決まるものである。幸福は一つしかないわけではなく、人それぞれの考え方や感じ方で異なり、いくつもの喜びを感じ取ることが可能である。

これからの長い人生の中で、迷ったり苦しいことに直面したとき、何度となく読み返してみたい本の一冊に巡り会うことができ本当によかったと思う。私にとって「新しいチーズ」とはどんなものであるのかもう一度考え直してみたいと思う。

戻る

京都文教大学図書館 京都文教短期大学図書館
〒611-0041 京都府宇治市槙島町千足80番地

Design Concept by MoogaOne