あーゆす7号4頁

『健康のためのスポーツ医学』を読んで
食物栄養専攻2回生  山 下 友 子

この本は、私が所属するゼミの夏休みの課題として与えられたものです。新書判サイズで図表も多く掲載され楽勝と思っていたのですが、読み始めてみると難解でページがなかなか進みません。後日、ゼミ担当の森井先生に尋ねたところ、この本を読めば、生理学や運動生理学を十分理解できるそうです。

この本の著者である池上晴夫氏は、東京大学医学部卒(医学博士)で、筑波大学体育科学系教授であり、運動処方の第一人者として著名な人物です。幾分難解な箇所もありましたが、料理とスポーツが好きな私にとって、この本は「食事(栄養)と運動」について興味深い内容を多く含んでいました。

第1章では、運動のエネルギーとなるアデノシン三燐酸の供給を有酸素運動や無酸素運動を題材に説明し、第2章では運動によるからだの生理的機能の変化について、高所トレーニングや無重力そして喫煙などをテーマに生理的な機能の適応をわかりやすく解説されています。また、第3章の「健康に役立つ運動をするために」では、肥満解消のための食事療法と運動療法について言及され、いずれの療法にも一長一短があり、両者の組み合わせこそが健康的なダイエットや肥満予防であることを強く感じました。食事量や摂取カロリーを落とせば、体重は簡単に減少します。しかしその減少は、脂肪だけではなく筋肉や骨にも及んでいることを知るべきです。さらに第4章では、実際に運動をプログラムする際のポイントがまとめられています。日本人は運動と聞くと、どうしても苦手なスポーツ種目や中学、高校の部活動で実施してきた種目を考えてしまいます。森井先生曰く、健康のための運動とは、限られた種目ではなく身体のコンディショニング(筋力、スピード、パワー、敏捷性・バランス、柔軟性、心肺持久力)をトータルに鍛えることであり、それぞれ異なったトレーニング方法が存在するとのことです。運動やスポーツをただやるだけでは効果はなく、運動の条件(運動様式・強度・時間・頻度)を考慮したプログラムをデザインする必要があります。

最後に本書を読んで大変重要なことに気づきました。健康のために運動を実施することは大変重要なことですが、運動もまたストレスであるということを忘れてはいけません。このストレスによりコンディションは一時的に低下(疲労)します。そこで栄養が大切な役割を果たすわけです。スポーツの現場においてウエイトコントロールという言葉がよく使われます。減量にも増量にも用いますが、栄養(食事)の位置付けが大変重要であり、成功するも失敗するも食事に関係するといっても過言ではありません。人の健康を考える上で、今後さらに栄養と運動の関わりを理解する必要があることを強く感じました。スポーツをする人、栄養を学んでいる人、是非とも一読してみる価値のある本だと思われます。では!これからテニスに行って来ます。

『健康のためのスポーツ医学』 池上晴夫 著 / 講談社

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