第46集(2007)目次

標 題 著者名
論文
昔話と幼児教育 北川喜美子 (1)
小学生の食生活・生活習慣と心身の健康状態 山西奈津子・池田順子 (10)
栄養士、保育士養成課程に学ぶ学生の食に関する実態 浅野美登里・坂本裕子・
落合利佳・中島千恵
(20)
錯覚現象の理科教材化の意義 安本義正 (31)
青年期女子における料理からみた朝食の推移 福田小百合・池田順子 (38)
理論的サンプリングを構築するためのアセスメントと評価〜療法的コンテクストにおける対象者理解〜 宮島幸子・伏見強・
安本義正
(47)
保育所民営化のプロセスにおける保護者・地域の参加−東京都三鷹市の事例を中心に− 中島千恵 (55)
担当科目に関する授業改善の一考案〜改善の緒を求めて〜 伏見強 (64)
有酸素性トレーニング後の筋力トレーニングが最大筋力および膝伸展パワーに及ぼす影響 森井秀樹 (74)
郡是製糸株式会社における社宅街の成立過程と道光館について 山田智子 (81)
「不登校」の多様化に対応できる実践力−教員のアセスメントの的確性− 今野芳子 (92)
コミュニケーションワーク活性剤としてのコラージュの有効性について 鳥丸佐知子 (109)
キャリア教育としての「書く」力の育成−「国語」教育との連携を目指して− 千古利恵子・中條敦仁 (120)
研究ノート・資料
知的障害者福祉の変遷 京都、滋賀を中心として(1) 石野美也子 (131)
抑うつに関する内的作業モデル研究の展開−アタッチメントからソーシャル・ネットワークへ− 鳥丸佐知子 (139)
書評・論文紹介
D.コステロ「グリーンバーグによるカントと現代芸術論における美学の運命」 今村美邦子 (149)
教育研究活動報告
食育体験活動・食と農を結びつける体験活動は学生にとって有用か 坂本裕子 (152)
「地域に根ざす教育」を求めて 北川喜美子 (158)
大学における「キャリア教育」の現状と問題−高校教員・大学教員それぞれの立場から− 千古利恵子・中條敦仁 (165)
執筆者一覧 (169)
 
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昔話と幼児教育
北川 喜美子
要 旨 : 昔話の生きてきた時代は、けっして豊かな時代ではありませんでした。しかし、人々は忙しい中から子どもの未来に期待し、一生懸命生きてきました。そこで語られる昔話には、その時代の子どもへの教育的メッセージや子育ての思いが語り込められ、中にはきわめて今日的課題の含まれているものもあります。又、それを語る時、目には見えないが、生き続ける先人達の愛や力を感じます。まさしくそれは、幼児教育の中の良い教材だと考えます。
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小学生の食生活・生活習慣と心身の健康状態
山西 奈津子・池田 順子
要 旨 : 小学生の食生活、生活習慣や心身の健康状態に関する現状を調査により把握し、食生活や生活習慣が心身の健康状態とどの様に関連しているかを探り、小学生期の子ども達が生き生きと毎日を送るにはどの様なライフスタイルが好ましいかを検討することを目的として取り組んだ。その結果、夕食や間食の取り方、テレビの視聴時間などの食生活や生活習慣が心身の健康状態と関連していることが明らかになった。これらの結果から、小学生期の子ども達が好ましい食生活や生活習慣が習得できる環境を、家庭や学校が連携して整えることが重要と考えられた。
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栄養士、保育士養成課程に学ぶ学生の食に関する実態
浅野 美登里・坂本 裕子・落合 利佳・中島 千恵
要 旨 : 今、子どもの育ちに合わせた食育、給食を活用した食育を実践できる栄養士、保育士が求められている。優れた食育の担い手となるには、自身の生活体験や経験に裏付けされた食の知識が必要とされるので、学生の実態を把握するため栄養士、保育士養成課程に学ぶ1回生の食に関わる現状を調査し問題点を検討した。結果から、体型の自己認識、食品の摂取状況、食事作りへの関わり方に問題が見られた。専攻間に大きな差は見られなかった。
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錯覚現象の理科教材化の意義
安本 義正
要 旨 : 理科嫌いの学生に理科に興味・関心を持たせる目的で、教科理科の授業に錯覚現象を取り入れた。小さい物体の重さの実測値をもとに、大きい物体の重さを推定するという実験に起こる錯覚実験を行った結果、実測値の1/4から1/2の重さに感じるという錯覚に、学生たちは驚きの声をあげ、その後の学習態度に積極性が出て、学習活動を活発化させることがわかった。重さの錯覚現象は理科学習の導入に活用できるのではないかと考えられる。
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青年期女子における料理からみた朝食の推移
福田 小百合・池田 順子
要 旨 : 女子学生を対象とし、朝食における料理の摂取状況、料理数、料理の組み合わせ、主食の主材料、料理方法(加熱操作の有無)に着目し、19年間における4時点(1988、1994、2000、2006)での状況を用い、食生活の推移を料理という視点から検討した。その結果、青年期女子の朝食は、19年間で料理数や好ましい料理の組み合わせが減少し、また、加熱操作を加えた料理が少ない朝食へと推移していることが伺えた。
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理論的サンプリングを構築するためのアセスメントと評価〜療法的コンテクストにおける対象者理解〜
宮島 幸子・伏見 強・安本 義正
要 旨 : 音楽療法という学問分野の研究は大きく分けてアセスメント・音楽療法の実施・評価と3つの領域の論題を扱っている。今回、集団音楽療法の一事例について、改変したボクシルの評価表を用いて質的評価を試みた。その結果、療法的な効果の全体像を文脈的に捉えることができ、音楽療法場面において種々切り口からサンプリングすることにより、対象者理解を深めることに寄与できることが示唆された。
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保育所民営化のプロセスにおける保護者・地域の参加−東京都三鷹市の事例を中心に−
中島 千恵
要 旨 : 保育所の民営化は公的予算の削減、少子化対策を背景に急速に進行する気配がある。様々なリスクを伴う民営化ではあるが、リスクが保育所の運営に保護者や地域の人々が参加する新たな公的ガバナンスの仕組みが形成されるきっかけにもなっている。その仕組みは、多様な声を反映するという点では民主主義的ではあるが、民営化の流れを逆行させるものではなく、また常に葛藤と向き合う時間とエネルギーを要する問題も抱えている。
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担当科目に関する授業改善の一考案〜改善の緒を求めて〜
伏見 強
要 旨 : 平成18年度後期の授業評価結果から、授業担当者にとって予測に反する興味深い結果を呈した科目『保育内容表現B』と『音楽科指導法A・B』を中心にしながら、18〜19年度前期に担当した自らの授業を振り返った。教科が求める授業の内容を、学生にどのように効果的に伝え、習熟度の向上を図るべきか、「授業をよくするための調査」結果のレーダーチャートおよび授業の記録を基に、授業改善のヒントを求めて検証したものである。
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有酸素性トレーニング後の筋力トレーニングが最大筋力および膝伸展パワーに及ぼす影響
森井 秀樹
要 旨 : 本研究は、有酸素性能カの高い女子大学生11名に、その後単独での筋力トレーニング(ES群)または同時トレーニング(EC群)を実施し、最大筋力と膝伸展トルクに及ぼす影響を検討した。その結果、1RMBPを除き、1RMSQおよび膝伸展トルクの増加率は、ES群でのみ有意な増加が認められた。男性を被検者にした場合同様、女性においても同時トレーニングは、主働筋における最大筋力とパワーの発揮を抑制することが明らかとなった。
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郡是製糸株式会社における社宅街の成立過程と道光館について
山田 智子
要 旨 : 郡是製糸株式会社の社宅について、大正中期の社宅街成立までの形成過程を追った。最初に建設された社宅は長屋建ての狭小なものであったが、波多野社長自らが入居した。明治44年建設の新しい社長社宅は大きな2戸1建てで教育係の川合信水宅と分けていた。初期の社宅建築からはプロテスタンティズムの倫理が伺え、それが同社の社宅の特質であったが、大企業化とともに社宅街が形成され、それらの思想が変容していくことを明らかにした。
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「不登校」の多様化に対応できる実践力−教員のアセスメントの的確性−
今野 芳子
要 旨 : 多様化する不登校への対応は学校現場での重要な課題である。その課題に取り組む現場もまた多様化している、多様化する不登校と的確な見極め(アセスメント)に基づく対応と実践力が問われる。教育現場に多様な外部人材が入る中で有効な流れと有効なアセスメントについて事例をとおし考える。
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コミュニケーションワーク活性剤としてのコラージュの有効性について
鳥丸 佐知子
要 旨 : 複数のコミュニケーション関連の講義において、自己理解・他者理解・相互理解などを深める手段のひとつとして、この数年コラージュワークの導入を試みてきた。本稿はこの中で特に効果的であったと思われたある講義を取り上げ、コラージュワークの果たした役割について検討した。自他理解のみならず、コミュニケーションワークを活性化させるものとしても、コラージュワークが有効である可能性が示唆された。
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キャリア教育としての「書く」力の育成−「国語」教育との連携を目指して−
千古 利恵子・中條 敦仁
要 旨 : 大学生の論理的に書く能力は低く、その能力開発が急務とされ、大学でのキャリア教育の必要性が説かれた。「書く」能力育成には、積み上げ的な訓練が必要で、その育成の場が学校であるが、機能していない。このことを打開するには、論理的思考を1つの柱として、明確な最終到達地点を設定し、その達成に向け各課程が学問的連携を強化する必要があり、その方法として、高校・大学で同一教材を使用するということも有効といえる。
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知的障害者福祉の変遷 京都、滋賀を中心として(1)
石野 美也子
要 旨 : 知的障害者福祉の変遷を、施設の設立の歴史から考察した。特に、京者、滋賀の施設の成立及び当時の知的障害者の社会における状況を見ると共に、中央青少年問題協議会が内閣総理大臣に意見具申した「精神薄弱者対策基本法」が精神薄弱者福祉法制定に果たした役割を見る。
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抑うつに関する内的作業モデル研究の展開−アタッチメントからソーシャル・ネットワークへ−
鳥丸 佐知子
要 旨 : Bowlbyに端を発するアタッチメント理論は,乳幼児期の研究を中心に,パーソナリティ発達の総合理論として提唱されてきた。本稿では特に「抑うつ」に焦点を当て,「内的作業モデル」としての考え方を中心に,まず従来のアタッチメント研究の流れを概観する。その後ソーシャル・ネットワーク等を重視する最近の流れについても紹介する。
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D.コステロ「グリーンバーグによるカントと現代芸術論における美学の運命」
今村 美邦子
要 旨 : 20世紀の芸術現象を読み解く上で道標とされたグリーンバーグのモダニズム論への修正はこれまでも為されてきたが、本論文では、特に彼のカント理解の不備を指摘し、彼の理論に影響を受けた著名な批評家フリード、クラウス、ド・デューヴ、ダントーの芸術論を検討している。そして、美の分析と美的理念の拡張などのカントの芸術理解の捉え直しを通して、それをモダンアートの理解へ適切にもたらすことを模索している。こういった試みは、今日では終焉したとも捉られる美学という学問の活性化にも道を拓くものであろう。
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食育体験活動・食と農を結びつける体験活動は学生にとって有用か
坂本 裕子
要 旨 : 食物栄養専攻の学生に対する教育支援活動として、学園祭で「食育 in 指月祭」の実施、南丹市八木町農村環境公園において「食と農の体験活動」、京都テルサにおいて「今日から始める簡単クッキング」の食育活動を行った。各支援活動体験後の学生のアンケートから得られた意見、感想等も参考にこれらの有用性について検討したところ、実践的体験は学生の学びに対する大きな気づきとなり、社会性の獲得に大きく寄与すると考えられた。
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「地域に根ざす教育」を求めて
北川 喜美子
要 旨 : 私は、これからの大学は、地域に愛される大学でなければならないという考えを持ち続けています。又、大学が地域に根づいた教育の発信源であるという自覚と責任を、持つべきであるという考えも、持ち続けています。それゆえ、教員の役割は、授業を受持つことだけに留まらず、絶えず地域の中に溶け込み、課された仕事の還元をすべきだと考えます。今回は、私自身の教育理念に基づいて実践している教育研究活動について、報告いたします。
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大学における「キャリア教育」の現状と問題−高校教員・大学教員それぞれの立場から−
千古 利恵子・中條 敦仁
要 旨 : 若年層の基礎力低下を背景に、厚生労働省は「YES-PROGRAM」を立ち上げ、大学でのキャリア教育も始められた。しかし、大学の行うキャリア教育が、高校までの教育の内容と直結しているとは言えず、その問題点を明らかにすべく、キャリア教育に対して高校教員の中條と大学教員の千古がそれぞれの立場から議論をした。結果、高校・大学間の溝を認識し、今後この溝を埋めるべく、学校種を越えた実質的な意見交換を行うことの必要性を痛感した。
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