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Vol.01 京都文教大学の学生3名が、「ミンダナオ子ども図書館」を訪問しました。 Vol.01 京都文教大学の学生3名が、「ミンダナオ子ども図書館」を訪問しました。

京都文教大学の学生さんは、あったかいですね。

アジアの若者たちが手をつなぐために。 ミンダナオ子ども図書館 児童文学者 松居 友さん

「ミンダナオ子ども図書館」に、京都文教大学の花岡さんたち学生さん3人がやって来ました。平地から山に追われた先住民として貧しい生活を続けてきたマノボ族の村に行き、一緒に医療支援の手伝いをし、電気のない村にも泊まってもらいました。そして現地の子どもたちと歌ったり踊ったり、「後ろの正面だーれ」といった伝統的な遊びをして、日本にいるとき以上に楽しい時を過ごしたものと思います。

京都文教大学の学園祭では、現地での体験を花岡さんたちがまとめて発表し、僕も呼ばれて講演をしました。花岡さんをはじめ京都文教の学生さんたちは、やさしくて、心があたたかいですね。

学生たちと一緒に訪問した方が持参した滋賀県名物の「飛び出し坊や」と記念撮影。「ミンダナオ子ども図書館」の入り口に設置しました。

最近、「ミンダナオ子ども図書館」に日本の若者たちが訪れるようになりました。現地の子どもたちに囲まれて、友情や愛情のこもった優しい言葉をかけられたり抱きつかれたりすると、彼らは泣き出したり涙を浮かべ、やがて硬かった顔に自然で優しい表情がもどってきます。そして、帰る時には「また来るね、私たちのこと、忘れないで! 」と言って帰っていく。これこそが、本物の国際交流の体験だと思います。

京都文教大学でも講演をしましたが、日本の大学、中高、小学校で講演をするようになって感じることは、日本の子どもたち、若者たちの感性はフィリピンの子どもたちと同様に純粋で素晴らしいということ。しかし、それを生かす社会的な場が「ちまた」=生活の場に少ないことです。

一緒に暮らしている80人の子どもたちは、紛争で親をなくした子、貧しくて学校に行けない子など。でもみんな明るくてよい子です。

日本から来た若者たちが、現地の素朴な子たちに出会って感動し泣き出すのは、日本の社会で失われた何かが、アジアの特に貧しい人々の生活のなかに生きているからでしょう。

「ミンダナオ子ども図書館」に住んでいる子は、いわゆる「問題家庭」の子たちだけれど、孤児になっても明るく生きています。みなさんも学生時代に「ミンダナオ子ども図書館」に来て、生きる力とは個人でがんばることではなく、友情と愛であることを、ぜひとも体験してください。

こんなふれあいを通じて、アジアの若者たちが手をつなぎ、相互理解や平和構築につながっていけばと願っています。

「ミンダナオ子ども図書館」では、キリスト教、イスラム教、山岳民族といった文化の違う子どもたちが仲良く共同生活をしています。
松居 友さんプロフィール
まつい・とも/1953年東京生まれ。大学卒業後にオーストリア 留学を経て、福武書店(現ベネッセ)で絵本の編集に たずさわったのを機会に『わたしの絵本体験』(教文館)と『絵本は愛の体験です』(洋泉社)を上梓。ほか 絵本作品、アイヌや沖縄の文化に関する著書など多数。2002年からフィリピン・ミンダナオで「ミンダナオ子ども図書館」を運営しています。2015年にはテレビ東京の「池上彰のJAPANプロジェクト」~世界の “命の現場”で奮闘する日本人~で報道されました。父・松居直は福音館書店の初代編集長で児童文学者。
 松居 友『手をつなごうよ』(彩流社)

「ミンダナオ子ども図書館」 訪問記
総合社会学部 2016年3月卒業
株式会社エイチ・アイ・エスに就職

現地で“よさこい”の踊りを披露。
集めた子ども服も配りました。

フィリピン・ミンダナオにある「ミンダナオ子ども図書館」は、紛争で親をなくした子、貧しい家庭の子たちが暮らす寄宿舎です。私は大学の先生からこの施設のことを聞き、ぜひ訪問したいと仲間を募りました。

集まったのは、私が所属していた“よさこい”のサークル「風竜舞伝」の仲間2人。私たちは「京都文教大学ミンダナオ国際交流チーム」(MIA)という任意団体をつくり、事前に寄付を集めてよさこい踊りで使う「鳴子」を買い、そこに寄付者のメッセージを書いてもらってミンダナオの子どもたちにプレゼントすることにしました。

また、着なくなった子どもの服や靴を集めてミンダナオに持って行くことも計画。帰国したあとは、「ミンダナオ子ども図書館」の松居友さんを学園祭にお招きして帰国の報告会を開催することにしました。

子どもたちとはすぐに仲良しになりました。私の髪を編んでくれているところです。

さて、3ヵ月あまりの準備期間を経てミンダナオへ。
ミンダナオはイスラム教徒と政府との紛争が長く続いている場所ですが、図書館のスタッフの方が空港の出口まで迎えにきてくださり、また現地でも常にそばにいてサポートしてくださったので安心でした。

1週間という短い期間でしたが、私たちは踊りを披露したり、日本で集めた子ども服を配ったり、フィリピン風の「飛び出し坊や」を子どもたちに描いてもらう活動などを行いました。

現地で出会った子どもたちの笑顔、スタッフの方々の献身的なお仕事の様子、そしてこの図書館を立ち上げ、フィリピンの貧しい人たちのために尽くしていらっしゃる松居さんのお姿に触れ、多くのことを感じ、考える機会を与えていただいた旅でした。

私は在学中に世界中を旅してまわり、その経験から、卒業後は旅行会社で働きたいと考えていました。ミンダナオから帰ると就職活動が本格化して大忙しになりましたが、「社会人になってまたミンダナオに行き、子どもたちに会いたい」という思いでがんばり続け、志望していた会社から内定をいただくことができました。

またミンダナオの子どもたちに会いに行きたいと思っています。

「ミンダナオ子ども図書館」に到着した翌日、車に乗って山へと向かいました。
ムヤスという山岳民族の村に行き、炊き出しが行われました。何百人分もの食事を徹夜で用意したそうです。
他のNGOの方々が医療支援に来ていました。村の人を一人一人問診して薬などを配り、歯の検査もします。
さて私たちが踊る番です。日本から持ってきた「鳴子」を配ります。
音楽を流して「よさこい」の始まり。子どもたちも合わせて踊ります。
ホームステイ先のキアタウ村。村には水が少なく、水汲みは子どもたちの仕事です。貴重な水を村人たちは分け合って暮らしています。
ここでも「よさこい」の披露です。村中の子どもたちが集まってくれました。
日本で集めた子ども服や靴を配りました。みんなお行儀よく並んで待ちます。
一人ひとりの子どもに、日本から預かってきた服や靴を手渡していきます。
「ミンダナオ子ども図書館」には本がいっぱい。子どもたちは好きな本をいつでも自由に読めます。
食事はみんなでいただきます。食事を作るのも子どもたち。
寮の前はきれいな花壇に。野菜なども育てて自給自足をめざしています。
近くの学校も訪問しました。小学校から高校までが並んであります。
授業の休み時間に子どもたちに囲まれました。とっさに折り紙を折ってプレゼントしました。
滞在最終日には、日本から持ってきた「飛び出し坊や」の板にペイントをするワークショップが開かれました。
子どもたちは絵も上手です。それぞれがカラフルな色で塗っていきます。
10体の「飛び出し坊や」が完成しました。5つを日本に持ち帰りました。
お別れパーティでは私も英語でスピーチをしました。フィリピンの子はみんな英語を上手に話します。
記念撮影。みんなが抱きついてきます。「またきてね〜」
そしてダバオの空港でお別れ。ミンダナオ子ども図書館のみなさん、そして松居友さん、ありがとうございました。