学部・大学院

大学院 臨床心理学研究科 インタビュー

研究科長インタビュー

臨床心理学研究科長 濱野清志

昨年度からいよいよ国家資格として成立した公認心理師の養成が正式に始まりました。学部での教育に専門職としての基礎教育の足場を置いた公認心理師は、大学院ではそれを実践につなげる充実した臨床能力の養成に重点が置かれます。京都文教大学は臨床心理士を養成する私立の大学院としてこれまでずっと日本の心理臨床をリードする位置を歩んできました。言うまでもありませんが、本研究科は公認心理師の教育訓練にも十分に対応できる実践教育を備えています。
本学ではこれまでも、ベーシックな心理臨床の素養を培い、ユング心理学、精神分析、多様な表現法を活用したアートセラピーなどの個性豊かな臨床の視点を通して医療現場をはじめ、学校、福祉、発達、子育て、司法、産業、被害者・被災者支援などさまざまな領域で活躍できる臨床心理士を育ててきました。これからも、ここに公認心理師養成も加え、大学院教育をさらに発展させ、日本の心理職を常にリードする大学院であろうとしています。より高度な心理専門職を目指す人に、ぜひとも本大学院を受験していただきたいと考えています。

大学院生インタビュー

(プロフィールは2018年4月時点のものです)

同胞(きょうだい)に対する嫉妬や葛藤と
家族の関係性を俯瞰的な視点で考察。

子どもが親の愛情を巡り、同胞(きょうだい)に対して葛藤を抱く「同胞葛藤」について研究しています。なかでも、3人きょうだいの中の2番目の子ども(中間子)が抱く葛藤に注目。「親・自分(中間子)・きょうだい(長子・末子)」の中で生じる複雑な関係性を俯瞰的に見つめることで、それぞれの葛藤の特徴が見えてくるのではないかと考えています。こうした研究が、悩みを抱える方にとって自分自身を知る手がかりになるとともに、きょうだいに対する理解を深め、信頼関係を築くきっかけになれば嬉しいです。また、同胞葛藤を抱えている子どもは、親子関係の悩みを抱えている場合が少なくありません。同胞葛藤を乗り越えるプロセスが、親子関係の悩みの一助になる可能性にも期待して研究を進めています。

● 平谷さんの1週間
月曜日 学外実習で、外来診療の陪席やプレイルームのお手伝いなどに取り組みます。
火曜日 行政の不登校支援事業に参加。小学校で児童の話を聞いたり、学習補助を行っています。
水曜日 午前中はティーチングアシスタントを務め、午後は授業などで夜まで忙しい一日。
木曜日 午前中は不登校支援事業で中学校へ。午後はスーパーヴィジョンの後、児童相談所でアルバイト。
金曜日 午前中は短大で課題添削のアルバイト。午後は授業があり、空き時間には自分の研究を進めます。
土曜日 午前中はカウンセリングの準備にあて、午後から心理臨床センターでのカウンセリングを担当。
日曜日 休日は家の掃除をしてのんびり過ごします。余裕があれば買い物に出たり、論文を読むことも。

新しい描画法「三線コミュニケーション法」の
有用性と可能性を追究したい。

人が生きることや「自己」を確立するうえで、「他者」の存在はなくてはならないものです。その「他者」を知るツールとして、「三線描画コミュニケーション法」がとても有効だと感じており、現在は、この研究の第一人者である濱野先生にご指導いただいています。「三線描画コミュニケーション法」は2人で行い、白い紙に1本ずつ順番に線を描いていきます。その線の描き方や完成した形に2人の関係性や親密度、個性や社会性などを見ることができるのではないかと考えられます。交互に線を描いていく中で、自分または相手が「何を思ってこの線を描いたのか」を考えることも重要なプロセスです。これが2人の関係性の再認識や関係性の変化・修復にもつながると考えています。私は今後の研究で、この新しい描画法の可能性を追究したいと思っています。

● 𡈽谷さんの1週間
月曜日 午前中は自分の研究の時間。午後はティーチングアシスタントと家庭教師のアルバイトへ。
火曜日 午前中に授業準備を整え、午後から「心理査定」を受講。心理検査の実践的な技法を学びます。
水曜日 1限目から6限目まで授業。2限目のみ空きコマがあるので、自分の研究の時間にあてています。
木曜日 学外実習のためクリニックへ。その後、心理臨床センター岡崎分室でカウンセリングを担当。
金曜日 午前中は自分の研究時間。午後から心理臨床センターでカウンセリングを務め、その後授業へ。
土曜日 児童養護施設での実習と、隔週でカウンセリングを担当。夜はスーパーヴィジョンへ。
日曜日 休日はしっかり休みます。水族館に行ったり、ショッピングを楽しんだりしています。

「イニシエーション」の失われた時代を
人々はいかに生きるかを考える。

私たちは今、イニシエーションの失われた時代に生きています。イニシエーションとは、例えば子どもの世界から「隔離」され、大人になるための「過渡」を経験し、新しい一歩を踏み出していく「統合」のプロセスであり、人間は古代から通過儀礼として行っていました。近代化に伴いこうした儀礼は消失しましたが、現代においても不登校やひきこもりなどの内的過程や心理療法の中にそのプロセスは生き続けているといえます。成長に伴う大きな境界線を越えなければならないとき、人は内的体験としてのイニシエーションを必要とします。集団で体験する儀礼という形のイニシエーションが失われた今、現代の人々はどのように個人的な体験としての内的イニシエーションを経ていくのか? それを、物語研究を通して考察したいと思っています。

● 石田さんの1週間
月曜日 午前中は自分の研究に集中。午後からは児童養護施設に行き、プレイセラピーを行います。
火曜日 学外実習のため病院で実習。医療現場での臨床心理学や精神医学について実践的に学んでいます。
水曜日 終日授業。ゼミやインテークカンファレンス、ケースカンファレンスなどの授業があります。
木曜日 病院の研究室でのアルバイトへ行き、夕方からは心理臨床センターでのカウンセリングを担当。
金曜日 2コマ授業を受けた後、学外のユング派の専門家から、スーパーヴィジョンを受けます。
土曜日 午前中は自分の研究に取り組み、午後からは心理臨床センターでのカウンセリングを担当します。
日曜日 家でのんびり過ごすほか、学内外の研究会や、家庭教師のアルバイトへ行くこともあります。

社会人入試で入学した大学院生のインタビュー

心理学の学びを活かして
豊かな人間関係の構築をサポートしたい。

子育てが一段落したと思えた時に、あらためて「子育てとは別の目標を持った人生を生きたい」と考え、大学時代に学んだ心理学をさらに深めてみようと大学院をめざしました。現在は、対人関係における認知様式について、特にパーソナル・コンストラクト理論に基づく対人認知様式、つまり、人には各人固有の理解や判断のスタイルがあるということに興味関心を持っています。また、この認知様式のひとつに「認知的複雑性」という概念がありますが、周囲の環境を多次元的に認知する能力のことで、これが高い人ほど他者の行動を正確に予測できるとした先行研究もあります。私は、他職種連携が求められる場面の多い心理職、なかでもスクールカウンセラーの経験年数の差に注目して、連携の円滑さの観点から対人認知の研究を進めていきたいと考えています。

● 社会人入試で受験した後藤さんの大学院入学までのステップ
STEP1 学びの意欲が再燃
大学卒業後、仕事と子育てを両立。3人目を出産し、育児に専念するために退職。子育てが一段落し、社会復帰を考え始める。
STEP2 受験勉強始動
1月。大学では心理学を学んだことから、大学院臨床心理学研究科受験を目標に。それまでの生活リズムを見直して勉強時間を確保。
STEP3 志望校決定
秋期入試に焦点を合わせ、6月ごろにオープンキャンパスや学校説明会に参加。公開授業を受講し、魅了されて志望校を決定。
STEP4 合格
心理学の「キーワード」理解を中心に、辞典を読むことに時間を割いた。入試直前1ヵ月は過去問にも取り組み、秋期入試で合格。
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