学部・大学院

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大学院 臨床心理学研究科 概要

大学院 臨床心理学研究科について

京都文教大学大学院は、我が国の先導的なモデル校として
(公財)日本臨床心理士資格認定協会からA評価*を受けている第1種指定大学院です。
公認心理師の理念(学部・大学院の一貫教育)を先取りして実践してきました。

*第1種指定大学院として認定された全国約150大学のなかでも上位に位置する高い水準であること。

医療、福祉、教育、司法、産業など、さまざま分野で、心理査定や心理療法に携わる高度専門職業人が求められています。こうした要請に応えるべく、臨床心理学の成果を社会に還元するのが臨床心理学研究科博士課程(前期・後期)の使命です。「人間」への理解を深める実践的なカリキュラムを設け、人間心理に関する高度な能力を備えた専門家の育成をめざします。

大学院 臨床心理学研究科の特色

1. 京都文教大学の設立の精神
学部と連動した一貫教育

本学は、元文化庁長官、京都大学名誉教授である河合隼雄氏の指導のもとに、1996年にほぼ日本最初というべき臨床心理学科を設立しました。2000年に臨床心理学研究科修士課程、2003年に博士後期課程を設立し、学部から博士課程まで一貫した心理臨床家養成のための大学として位置づけられます。そして、2008年には日本で最初の「臨床心理学部」を創設しました。心理臨床家を養成するための大学、大学院として新しくデザインして創設した大学であることが特徴です。
臨床心理士は大学院修士課程を中心とする資格ですが、公認心理師は学部と大学院を連動させた制度です。本学はすでに1996年度から公認心理師の制度を先取りしてきたということができます。

2. 心の深さと広さをカバーするカリキュラム

人の心は非常に複雑です。それは意識と無意識という相異なった、しばしば矛盾する心の層、心のはたらきがあるからです。人の心の意識は非常に重要であることは言うまでもありません。しかしそれに劣らず無意識の心のはたらきにも注目する必要があります。本研究科では、無意識領域をも視野に入れた本格的な心理療法実践ができる人材を養成することを目標にしています。また、実践において医療、福祉、教育、司法、産業という多方面で応用できるようなカリキュラムを工夫しています。これにより心の深さと広さをカバーできると考えます。

3. 本格的な力動的心理療法を体系的に指導

本研究科では、精神分析、ユング心理学、芸術療法など深層心理学にもとづく本格的な力動的心理療法を学ぶ機会に恵まれています。意識と無意識の相互作用の不思議さを学ぶことにより、人間理解がより深まることになるでしょう。そして、これらの学びを通して、自分自身の心の成長を感じることにもなります。臨床心理学の教育で一番重要なことは自分自身の心の成長にあるともいえます。自分自身の心の成長とクライアントの心の成長が不即不離の関係にあることを知ることになるでしょう。

4. 公認心理師5領域をカバーできる専門性豊かな教員陣

本学の専任教員は、臨床心理士・公認心理師の有資格者が多く、その数は全国でもトップクラスです。また、それらの教員スタッフは多様な専門性を持ち、医療、教育、福祉、司法、産業といった公認心理師5領域をカバーしています。ゼミにおける個別指導はもちろん、全教員が院生全体をサポートし、指導する仕組みをとっており、さまざまな領域における実践活動を、経験豊かな教員スタッフとともに経験することで、幅広い視点を獲得するとともに知識を深めることができます。

5. 入学して1カ月後から「学内実習」がスタート

本研究科では、2年間の長期にわたり、継続的に臨床実習に取り組みます。人の心の成長過程を観察し、その変化を感じ取るためには実習現場での長期的な関わりが重要です。 学内実習は、博士前期課程1回生の5月から始まります。まずは本学の附属「心理臨床センター」で受付業務などのマナー教育を学びます。電話対応においても専門的な知識や素養が必要となるため、最初の一歩として多くの学びを得られる場となります。1回生の9月からはケースを担当。スーパーヴァイザー(現場の専門家)の指導・アドバイスも受けながら、実際にカウンセリングやセラピーを担当し、カウンセラーとしての第一歩を踏み出します。

6. 2年間継続して取り組む「学外実習」で3領域以上の経験を積む

博士前期課程1回生の6月からは、学内実習と並行して「学外実習」が始まります。実習先は幼稚園や小学校などの教育機関、また、精神科や神経科などの病院・クリニック、さらには福祉施設、司法領域などさまざま。2年間継続して学外実習に取り組み、少なくとも3領域の経験を積むことができます。公認心理師養成カリキュラムの基準である450時間以上の実習機会を設けています。さらに、本学の附属機関「産業メンタルヘルス研究所」での研究活動や発達障害児へのグループセラピーなど、課外での実習の機会も豊富に設けており、多くの経験を積むことができます。

7. 手厚い養成システム―スーパーヴィジョン

人の心に寄り添い、その成長とつき合う仕事であるカウンセラーになるのは、なかなか大変です。実際に自分がカウンセラーとしての役割が取れるかどうか、誰しも不安を憶えるものです。大学院はどのように初心者を育てるのか、その教育体制が問われることになります。これが大学院の質を決めると言っても過言ではありません。指導の要は各ゼミ担当教員です。ゼミ担当教員には、大学院生活や研究活動だけではなく、実習やカウンセリングについてもいつでも相談することができます。また、担当教員だけではなく、全教員からもサポートをされます。さらに学外の専門家からも個人スーパーヴィジョンを受けるシステムを作り上げています。これらの専門家は本学教員スタッフがしっかりと選んだベテラン臨床心理士ばかりです。カウンセラーになることへの不安や悩みも十分に受け止め、指導します。

8. 学会を多数開催

本研究科では年間2〜3回、学会を主催しています。

京都文教大学が主催した主な学会

  • 2000年度 日本心理臨床学会 第19回大会
  • 2005年度 日本芸術療法学会 第37回大会
  • 2009年度 国際箱庭療法学会 第20回大会
  • 2013年度 日本遊戯療法学会 第19回大会
  • 2015年度 日本ユング心理学会 第4回大会
  • 2016年度 精神分析的心理療法フォーラム 第5回大会
  • 2016年度 日本コラージュ療法学会 第8回大会
  • 2017年度 日本スピリチュアルケア学会 第10回大会
  • 2018年度 日本芸術療法学会 第50回記念大会
  • など
9. 海外交流の豊富さ―国際的心理療法訓練機関との交流

本研究科は教員スタッフの豊富さのおかげで、海外の情報や経験を居ながらにして知ることができます。精神分析、ユング心理学、ボディ・ワークなど海外の著名な心理臨床家が本学を訪れ、講演や研修会を行います。スイス・ユング研究所の夏期集中プログラムに参加する企画もあります。

これまで招聘された海外講師陣(抜粋)

講師 内容
Murray Stein、Doris Lier、Kristina Schellensli、Lucienne Marguerat チューリヒ・ユング研究所とISAP
(チューリヒ国際分析心理学研究所)の指導分析家
ユング心理学についての基本的理解と現代における新しい臨床課題について、オンラインによって連続講義シリーズを学ぶ
Anni
Bergman
フロイディアン・ソサイエティ
精神分析家
分離・個体化研究を踏まえた母子に対する
心理プログラムについて
Fred
Pine
アルバート・アインシュタイン 医科大学終身教授
フロイディアン・ソサイエティ 精神分析家
心理臨床と4つの心理学
James
Hillman
元型的心理学の創始者 心理療法における“美”
Aesthetic Aspect of Therapy
Robert
Bosnak
Embodied Imagination®法の創始者
ユング派分析家
「体現的ドリーム・ワーク」セミナー

※その他、多数開催

10. トップレベルの定員数の多さと充実した研究環境で広がるネットワーク

本研究科では博士前期課程の1学年を30名定員とし、博士後期課程の全学年をあわせると毎年66名前後の大学院生が切磋琢磨して学び合っています。共同研究室には全員に個人机とロッカーが支給され、共有スペースにはリラックスできるソファや簡単な炊事ができる給湯室も完備。大学院図書館もあり、洋書を中心に臨床心理学に関連する専門書・文献が充実。また、研究活動と実習などで忙しい大学院生活の空き時間を有効に活用できるよう、有給で学部生の授業の教育支援を行うティーチング・アシスタント(TA)の機会も設けています。修了生・教員による「京都文教心理臨床学会」もあり、修了後も本研究科での出会いが貴重なネットワークとなってつながっていきます。

大学院共同研究室
大学院専用図書室
個人机
談話室
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