はじめに
本学園は、明治37(1904)年校祖獅子谷佛定上人が仏教精神に根ざした人間教育を実践することを建学の精神として創立され、119年が経過しました。
令和5(2023)年度は、学園にとって一つの転換点に差し掛かった一年となりました。創立120周年を目前に控え、少子化の波はいよいよ学園に大きく立ちはだかって参りました。
令和5年の出生数は、政府の予想を大きく下回り75万人余りに止まりました。つまり、18年後の18歳人口は、今年の70%以下に低下し、今から10年後には急激な減少が始まります。誠に残念ながら60年の歴史を持つ幼稚園の募集停止を決定することとなりましたが、今年度からスタートした「京都文教学園第3期中長期計画(2023~2027)」の中でも、教育を取り巻く環境の変化と厳しい競争環境に対応するため、選ばれる学園を標榜した取り組みを打ち出しました。その一つが「共生(ともいき)社会」の実現に向けた「探究教育」であります。建学の精神にもつながる「共生社会」実現のため、自分の身の回りでできることを考えて実践する。世の中で起こっている現状を知り、「共生社会」実現のため自分たちで何ができるかを考える。そして「共生社会」実現の具体策を考え、実践する。この視点を「学園全体を貫く教育」に取り入れることです。
大学ではこの方針に沿う総合社会学部実践社会学科の次年度開設を控え、カリキュラム構成などの準備を入念に実施し、4月開講に備えてまいりました。
高校でも、探究学習に本格的に取り組む中で、新たに設置された「探究ゼミ活動」において、早くも全国大会で優秀な成績を収めるなどの成果も生まれています。
次年度の120周年記念事業の一環として、小学校では「探究授業」として円山公園活性化プロジェクトに参加して、絶滅危惧種の植物観察による学習を始めました。
短期大学は、時代の流れに翻弄されながらも、地域に愛され培われてきた教育実績を生かすべく、大学との連携の中で新しい取り組みを模索し始めています。
このように各設置校が一体となって、それぞれの特色を活かしながら取り組みをスタートさせる1年となりました。
一方、学校法人に課せられるガバナンス強化への対応も怠ってはいません。令和7(2025)年度の私学法改正に向けて、社会から信頼を得るための行動指針として「学校法人京都文教学園ガバナンスコード」を制定し、令和5(2023)年4月には理事長のもとに、学園の様々な取組みや業務の適正性、効率性を確認する「内部監査室」を設置し、監事、監査法人との連携体制を構築しました。
令和5年度の事業の概要を設置校ごとにまとめましたので、ご報告申しあげます。
2024年5月
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