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文部科学省2007年度「特色GP」に採択。現場主義教育充実のための教育実践〜地域と結ぶフィールドワーク教育〜

 地域連携による双方向的協働プロジェクトの実践など、本学の教育方針である「現場主義教育」の充実を図り、「社会人基礎力」や「コミュニケーション能力」など、社会で活躍するための能力の養成をめざした取組です。
取組の概要 1.各学科ならびに3学科共通の実習科目を設置
 文化人類学科では「フィールドワーク実習」、臨床心理学科では「臨床観察実習」、現代社会学科では「現代社会実習」を必修科目として設置。また、3学科共通の科目として「初年次演習」「インターンシップ実習」を実施するほか、「ボランティア論」ではボランティア実習を行っています。2004年度には学内に学生が主体となって運営するボランティアセンターを設立し、実習先の情報提供に携わっています。

図1 現場主義教育と社会人基礎力との関連
2.プロジェクトと活動の実践
 各学科では教員の指導のもと、学生が中心となって「現場」で学ぶプロジェクトに取り組んでいます。

【文化人類学科を中心とした活動】
文化人類学科では、2003年度から教員による共同研究プロジェクト「(人と人を結ぶ)地域まるごとミュージアム構築のための研究」に学生も参加し、地域との協働を推進してきました。「宇治橋通り商店街個性店作りプロジェクト」は商店街振興組合と協働で、各商店の個性をアピールするホームページを作成。2006年度からは推薦商品を学生が選定し商店街を活性化する「ええもん市」を開催しています。「うじぞー組」(京都府宇治市中宇治地域の地蔵研究チーム)では学生と卒業生が地蔵盆調査を行い、毎年報告書を発行。宇治橋通り商店街「彩りフェスタ」でパネル展示、地蔵作りワークショップ、地蔵スタンプラリーを実施しています。2006年度には「うじぞー」グッズを授産施設との協働で作成し、商店街のオリジナル商品として販売を始めました。「あかり工房」は、行灯作りワークショップや、灯りと書道の協働プロジェクトを主催し、宇治商工会議所や歴史資料館の企画に毎年参画しています。「プロジェクト・ウオプル」はエチオピアに小学校を作るNGO活動を展開し、宇治市とエチオピアの小学校をつなぐ役割を果たしました。「つくりもんまつり」班は、富山県福岡町でのフィールドワーク実習をきっかけに継続的に祭りに参加し、過疎化に悩む地域の問題に向き合っています。
ええもん市・うじぞー組・あかり工房イメージ

【臨床心理学科を中心とした活動】
 臨床心理学科では、学生が学外での多様な支援活動を通じて、現場での実体験を重ねています。
 「メンタルフレンド」は、1997年度より継続して実施している不登校児童生徒の家庭訪問活動であり、本学教員が宇治市の委嘱を受け、スーパーバイザーとして、参加する学生の募集・推薦・指導にあたっています。「ママさんサポーター」は、大学生が3歳未満の乳幼児を抱えた専業主婦の家庭に定期的に訪問し、母親のメンタルサポーターとして活動。実際の子育ての場面を体験することで、子育てに関する知識の習得にもつながっています。

【現代社会学科を中心とした活動】
大久保・広野今むかしイメージ
 現代社会学科の「現代社会実習」では、2005年度から地元、宇治市を中心に地域住民や地元スーパーとともに地域の活性化を目的とした産学民連携プロジェクトに参加。2005年度は、本学学生が地域の人々の防災意識やマーケットニーズに関する調査等を実施し、2006年度には世代間交流の促進を目的としたイベントとして、家族似顔絵大会、大久保・広野今むかし(小・中学生音楽ステージ&トークイベント)、大久保いきいき朝市プロジェクトなどを企画・運営しました。
3.産学官連携教育と高大連携教育の実践
 2006年度より、株式会社JTB、株式会社ベネッセコーポレーション、宇治市観光協会と連携して「まな旅プロジェクト」を実施。これは、本学学生が宇治地域で修学旅行生のフィールドワークをナビゲートする活動であり、修学旅行生に地域住民へのインタビュー等の体験をしてもらい、「フィールドの知」を知ってもらうという狙いがあります。学生は事前学習教材や地元商店街のホームページ作成、修学旅行生向けオリエンテーション、現地調査、まとめ学習といった各プロセスに主体的に関わっています。2006年度は北海道、宮城県、埼玉県の高校3校469人がこのプロジェクトに参加しました。
まな旅イメージ
4.カリキュラムの系統化による教育プログラムの充実
 2007年度からは、各学科等で実施している自主的な活動をカリキュラムに系統的に組み込み、教育プログラムのさらなる充実を図ります。

◆3学科共通科目「初年次演習」の充実
高校と大学の学びを結びつけ、大学の学びにスムーズに入っていけるようにフィールドワークを導入しました。

◆地域インターンシップの単位化
学科の専門性に合致した多様なインターンシップを「インターンシップ実習A」として3学科共通科目に加え、福祉施設や観光協会、商店街のインターンシップを単位化しました。

◆文化人類学科選択科目「実践人類学実習」の新設
地域連携活動を含む発展的実習教育を実施し、学生の自主的活動を教員の正規の指導のもとに単位認定します。
5.全学的支援体制強化のためのフィールドリサーチオフィスを設置
 フィールド(現場)での研究・教育(リサーチ)を充実したものにするため、2006年度に、現場(地域)と本学をつなぐフィールドリサーチオフィス(以下FRO)を設置。学生・教員・地域の連携をサポートする体制を整備しました。FROは教員と学生が運営しており、2007年度からはスタッフを増員して、支援体制を強化しています。また、2007年度内に宇治橋通り商店街と伏見大手筋商店街に「サテライトキャンパス」を開設。各学科の実習や学習成果の発表の場として、またワークショップやシンポジウム、各プロジェクトを通じた地域住民との連携・交流の場として活用するほか、ここを拠点に学生を主体とした地域との双方向的協働プロジェクトを推進する予定です。

図3 フィールリサーチオフィスによる支援活動の概念図
今後の実施計画
 FROが中心となり、次のような実施計画を推進していきます。

●フィールドリサーチ学生プロジェクトの実施
学生が主体的に地域連携活動に取り組むフィールドリサーチ学生プロジェクトを実施します。これは、学生が企画したプロジェクトを審査して、採択されたプロジェクトに対して経費を助成するもの。プロジェクトに参加する学生は、事業計画の立案や事業の運営、予算管理といった体験を通じて、プロジェクト推進のノウハウを学び、社会人基礎力を身につけることができます。

●学内・学外における発表機会の充実
学生が自らの活動の成果を発表できる機会を数多く設けます。サテライトキャンパスでのシンポジウム、パネル展の開催、学生による広報誌の発行、ホームページの作成など現場で学んだことを現場にフィードバックする体験を重視します。

●学科横断的FD活動の推進
教育内容を充実させるために各学科での現場主義教育のノウハウを交換し、3学科全体でのFD活動を推進。現場主義教育実践報告会、討論検討会などを実施します。

●大学院生と学部生の教育協力体制の確立
実習教育に大学院生を参加させることによって、学部生が知識や経験を継承することができます。

●高大連携教育の実践
学生が実習で学んだことを高校生にレクチャーするプログラムを設置します。自らの体験を「伝える」ことを通じて、「働きかけ力」や「発信力」といった社会人基礎力を養います。高校生にとっては、高校の学びと大学の専門的学習の結びつきをイメージするきっかけとなります。

●地域連携によるニーズ対応型実習教育の推進
地域の行政機関、企業、NPOなどの諸機関との連携により、社会人基礎力を身につけやすいインターンシップを中心に実習科目の充実を図ります。その際、地域のニーズを把握し、それに対応した教育内容を提供することで、地域が参画した現場教育を展開します。

●多様な学外講師招聘による教育の充実
サテライトキャンパスおよび学内での講義や実習オリエンテーションに、社会人や実務家を講師として招き、社会人基礎力の重要性を体感できる教育を行います。その際には、講演だけでなく、講師とのディスカッションや、学生の現状分析と将来のビジョン構築を促進するワークショップなども行います。

●小中高大連携による現場主義教育体系の構築
本学における現場主義教育の成果を、高大連携だけでなく小・中学校にも拡げ、小中高大連携による現場主義教育体系の構築を図ります。学生が主体的に連携活動に取り組むことによって地域と各種学校の連携を促進し、かつ、学生自身もその経験を通じて成長することをめざします。

●キャリア教育との連結
独自のキャリア教育を展開することにより、現場主義教育を学生の進路選択に活かしていきます。

図4 今後の実施計画(年次)