学部・大学院

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大学院
臨床心理学研究科 
インタビュー

研究科長インタビュー

京都文教大学大学院臨床心理学研究科は2000年の開設以来、心理職専門家を養成する伝統のある大学院としてこれまでずっと日本の心理臨床の世界をリードする役割を担ってきました。その間、輩出した臨床心理士、公認心理師は500名を超え、みなさん全国で活躍しています。
本学の心理臨床教育の特色は、なんと言っても日本で有数の力動的心理療法をベースとした臨床実践を積み重ねてきた教員の層の厚さです。個性豊かな教授陣の存在は、皆さんに実に多様な学びの機会を提供することになるでしょう。大学院では、ベーシックな心理臨床の素養を培うことは当然のこととして、ユング心理学、精神分析、多様な表現法を活用したアートセラピーなどの豊かな臨床の視点を通して、医療現場をはじめ、学校、福祉、発達、子育て、司法、産業、被害者・被災者支援などさまざまな領域で活躍できる力を養います。
これからも、大学院での教育内容をさらに発展させ、日本の心理職を常に活性化する役割を果たしていこうと思っていますので、日本社会を豊かにする、より高度な心理専門職を目指す人に本研究科の門をぜひとも叩いていただき、私たちの仲間になってほしいと思っています。

大学院生インタビュー

(プロフィールは2023年4月時点のものです)

心理職の方々の死生観から
緩和ケアにおける「死」と「生」を見つめ直す。

緩和ケアやターミナルケアの現場で「死」と向き合う心理職の方々の死生観について研究したいと考えています。このテーマに興味を持ったのは、病気の祖父と病院での最期の時間を過ごし、「その人らしい最期の迎え方」を考えることが「自分の生き方」を深く考えることに繋がると実感したからです。研究では、緩和ケアに携わる心理職の方々にアンケートやインタビューを行い、TEM(複線経路・等至性モデル)を用いて分析することで、死生観の変化・構築のパターンや共通点が見えてくるのではないかと考えています。また、多くの人々が「よりよい生き方」に焦点を当てて人生を考えていけるように「デス・エデュケーション(死の準備教育)」についても知識を深め、将来は医療領域で患者さんとその家族の方々をサポートしていきたいと思っています。

三上さんの1週間

月曜日 午前中は心理臨床センターで研修。午後はティーチングアシスタントとして授業をサポートします。
火曜日 午前中はスーパーヴィジョンを受け、午後は周辺で買い物や散歩をして気分転換をします。
水曜日 先輩や同期生の実習やケースについて話し合ったり、論文の進捗を発表するなど授業で忙しい1日です。
木曜日 教育領域で朝から夜まで実習。担当するグループの子どもたちと遊び、気づきを記録にまとめます。
金曜日 朝から夜まで授業。英語の論文を読んだり、カウンセリングのケースについての知識を深めています。
土曜日 午前中から心理臨床センターでのカウンセリングを担当。共同担当者との打ち合わせも大切な時間です。
日曜日 休日は友達とでかけたり、趣味の絵を描いたりしてリフレッシュできる時間を楽しんでいます。

今まで築き上げてきた「自分」が揺らいだとき、
人はどのように再構築していくのかを追究。

自分の存在を揺るがす体験が自分自身に与える影響とその後の変容過程について研究しています。「傷を受け入れること」は、その後の人生を生きるうえで大切なことです。しかし、それがすべてではないと私は考えています。傷や経験と向き合っているけれど少しの刺激で傷が再燃する「受け止める」状態や、受け止めきれずに「見て見ぬ振りをする」状態も、その場の環境に適応して生きていく上で必要なことです。どの状態が良い・悪いということではありません。傷との向き合い方や折り合いの付け方は、人それぞれ異なり、想像以上に多様です。この多様性をより深く理解していくことが、カウンセラーとして大きな力になると考えています。今後の研究では「過去の心の傷を受け入れた人」にお話を聞き、その変容過程を追究していきたいと思っています。

大塚さんの1週間

月曜日 午前中は大学で研究の情報収集。午後は学外でスーパーヴィジョンを受け、夕方は大学で勉強します。
火曜日 午前中は月1回、グリーフケアの活動に参加。午後は心理臨床センターでカウンセリングを担当します。
水曜日 朝から授業の1日。さまざまな事例に触れて意見交換。また、ゼミでは自分の研究内容を発表します。
木曜日 朝から夜まで学外の病院で実習。陪席や多職種連携など、実践に即した学びと経験を積んでいます。
金曜日 午前中は大学で自分の研究に取り組み、午後は担当するカウンセリングの資料を作成します。
土曜日 午前中はゆっくり過ごし、午後からグリーフケアの活動と学内実習のカウンセリングを担当します。
日曜日 美味しいものを食べたり、映画を見たり、日課のランニングをしたりしてリフレッシュします。

父親との信頼関係や情緒的な関わりが
子どもの人格形成に与える影響とは?

愛着に関する研究では母子関係に注目したものが多く、父子関係についての日本での研究はそれほど多くありません。そこで私は、子どもへの情緒的な関わりが薄い父親に着目し、父子の愛着関係が子どもの人格形成にどのような影響があるのかを明らかにしたいと考えています。国立成育療育研究センターの研究では「乳児期に父親との関わりが多かった子どもは16歳時点でのメンタル不調のリスクが下がった」という研究結果が出ています。こうした先行研究を参考にしながら、子どもにとっての父親の役割の重要性について多角的に研究したいと思っています。私はマレー語、英語、中国語、日本語を話すことができ、加えて韓国語とドイツ語も勉強中です。将来は日本で暮らす外国人の方々に母国語での心理面接を提供できるカウンセラーになりたいと思っています。

田島さんの1週間

月曜日 午前中は大学で課題やカウンセリングの記録をまとめます。午後は研究に関する情報を集めます。
火曜日 午前中はスーパーヴィジョンを受け、午後は心療内科でのアルバイトに取り組みます。
水曜日 朝から夜までゼミやカンファレンスがあり、ディスカッションに取り組んで学びを深めます。
木曜日 学外実習の福祉施設へ行き、実習後はその日の振り返りをしながら記録をまとめます。
金曜日 午前中はティーチングアシスタントとして授業をサポート。午後はカウンセリングを担当します。
土曜日 午前・午後ともにカウンセリングを担当。空き時間は、打ち合わせや勉強に取り組んでいます。
日曜日 しっかり睡眠をとって体を休ませる休日。家事をしたり買い物や友達と過ごして楽しみます。

社会人入試で入学した
大学院生のインタビュー

きょうだい間で構築される「役割」を知り、
人々が自分らしく生きるヒントを探る。

大学卒業後は、ブライダルと建築2つの業種を経験しました。働くなかで感じたのは、質の高い仕事をするには気持ちの余裕と充実感とのバランスが大切だということです。人が働く上で心理的なケアは欠かせないものだと痛感する場面が何度もありました。そんななか、働く人の心理的な支援をしたいと考え、専門的な知識や技術を学ぶために大学院進学を決意しました。現在は心理学を学ぶときに興味を持った「きょうだい関係」について研究しています。例えば二人きょうだいの場合、リーダー役、フォロー役など、きょうだいの関係性のなかで構築される「役割」があります。その役割は、社会で担う役割(学校や職場での振る舞い方)にも影響しているのではないかと考えています。きょうだい構成や家族関係から生じる役割意識に焦点を当て、背景にある環境要因を探ることがその人らしさを理解するヒントになるのではないかと考えています。

一般企業に就職後、大学院進学を決めた德山さんの入学までのステップ

STEP1

憧れのブライダル業界で忙しい毎日

大学でインテリアデザインや建築について学び、卒業後はブライダル業界へ。やりがいは感じるものの仕事と私生活の両立を考え転職を決意。

STEP2

建築会社の事務職に転職し、新しい生活をスタート

時間や気持ちに余裕を持って働ける職場に転職したものの、働く上での自分らしさややりがいとは何かを考えるように。

STEP3

大学院進学を目指して勉強をスタート

働くことを通して心理的なケアの重要性を感じ、専門知識を学ぶため大学院進学を決意。働きながら休日に予備校に通い、市販のテキストや過去問題でも対策を行う。

STEP4

仕事と勉強を両立し、2月の一般入試で合格!

心理学の基礎や英語、研究計画書の作成に力を注ぎ、2月の一般入試で合格。3月まで仕事を続け、2022年4月に入学。

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