学部・大学院

大学院 臨床心理学研究科 インタビュー

研究科長インタビュー

臨床心理学研究科長 濱野清志

昨年度からいよいよ国家資格として成立した公認心理師の養成が正式に始まりました。学部での教育に専門職としての基礎教育の足場を置いた公認心理師は、大学院ではそれを実践につなげる充実した臨床能力の養成に重点が置かれます。京都文教大学は臨床心理士を養成する私立の大学院としてこれまでずっと日本の心理臨床をリードする位置を歩んできました。言うまでもありませんが、本研究科は公認心理師の教育訓練にも十分に対応できる実践教育を備えています。
本学ではこれまでも、ベーシックな心理臨床の素養を培い、ユング心理学、精神分析、多様な表現法を活用したアートセラピーなどの個性豊かな臨床の視点を通して医療現場をはじめ、学校、福祉、発達、子育て、司法、産業、被害者・被災者支援などさまざまな領域で活躍できる臨床心理士を育ててきました。これからも、ここに公認心理師養成も加え、大学院教育をさらに発展させ、日本の心理職を常にリードする大学院であろうとしています。より高度な心理専門職を目指す人に、ぜひとも本大学院を受験していただきたいと考えています。

大学院生インタビュー

(プロフィールは2019年4月時点のものです)

感情をどのように対処すれば よりよく生きることに繋がるのかを研究。

自分のなかに生じるあらゆる「感情」に対して、どのように対処することが生きる上で「適応的」なのかについて研究しています。人は日々さまざまな感情を抱きます。本能的に生じる喜びや悲しみ、恐怖、怒りなどの一次感情だけでなく、経験を通して獲得される愛情や誇り、恥、罪悪感などの二次感情が存在します。また、人は不快な衝動に対して無意識に抑制し、あたかも「感じていない」ことを装うこともあります。大学院の集中講義では「自分のなかで生じた感情を抑制するのではなく、しっかりと認識し、言葉にすること」が自己肯定感につながり、よりよい対人関係の構築につながることを学びました。こうした学びを積み重ね、人のこころと感情の特性についてよりよい対処方法を追究することで、子どもから高齢者まで多くの人のこころのケアに貢献できると考えています。

● 青山さんの1週間
月曜日 午前中はお休み。午後からは大学のティーチングアシスタントや自分の研究に取り組みます。
火曜日 午前中はスーパーヴィジョンを受け、午後はボランティア活動「すきっぷ」の雑務をこなします。
水曜日 朝から6限目まで授業。空き時間には学内のボランティア活動のミーティングに参加します。
木曜日 学外実習で病院へ。午前中は診察の陪席、午後はデイケアで利用者の方々と関わっています。
金曜日 朝は養護施設でのアルバイト。午後からはティーチングアシスタントと授業。隙間時間で研究。
土曜日 午前中は隔週でボランティア活動があり、午後は心理臨床センターでカウンセリングを担当します。
日曜日 隔週で児童心理治療施設でのアルバイトに行きます。休みの週は、家でのんびり過ごします。

対人援助に関わる人の 「共感疲労」「バーンアウト」を防ぐために。

対人援助の仕事を担う人々の身に起こりうる「共感疲労」や「バーンアウト」、「支援者自身のケア」について研究を深めたいと考えています。「共感」は対人援助に欠かせないものの一つです。しかし、献身的になりすぎることで支援者自身が体調を崩してしまうことも少なくありません。また、文献などでの研究に取り組むなかで、人の心に寄り添うことが求められる職業は心理職に限らず、医師や教育者、保育者など幅広い職業が当てはまることにも気づきました。1年次に取り組んだ学外実習では、こども園で多くの子どもたちと触れ合い、子どもの心の成長と保育現場での支援について保育士の方々と話す機会がありました。そうした現場の声も今後の研究に活かし、世の中の支援者がより健康的に活動を続ける一助になればと考えています。

● 岡本さんの1週間
月曜日 学外実習。精神科医の先生の陪席や多職種連携など、臨床の現場について実践的に学んでいます。
火曜日 午後からスーパーヴィジョンを受け、夕方からは児童養護施設でプレイセラピーを行います。
水曜日 終日授業。ゼミやインテークカンファレンス、ケースカンファレンスなどの授業があります。
木曜日 午前中は自分の研究の時間に没頭。夕方からは児童相談所で電話対応協力員の仕事をします。
金曜日 午前中はカウンセリングの準備をして、午後から心理臨床センターでカウンセリングを担当。
土曜日 午前中は自分の研究に取り組み、午後からは心理臨床センターでカウンセリングを担当します。
日曜日 家で好きな本を読んだり映画を観たり。また、気分転換に出かけるなど自由に過ごします。

青年期の「無気力」から抜け出し 自分らしさを取り戻すために。

個別指導塾の教室長として塾生と関わるなかで、青年期には自分のアイデンティティに対する葛藤もあり、無気力になりやすいという特徴があることに気づきました。その無気力に対するケアとしてゲシュタルト療法のドリームワークが効果的なのではないかと考えています。ドリームワークでは、夢は自分の欠けたパーソナリティの投影だと考えられており、クライエントが夢の登場人物になりきって夢を再体験することで今まで気づかなかった「意識されずにいた自分の一面」への気づきを促します。この療法を通して「やりたいことはあるのにやる気が起きない」「やらなければと思うけどできない」という葛藤の奥にある「行動を起こしたい」という欲求への気づきを得て、新しい一歩を踏み出すサポートができればと考えています。

● 藤野さんの1週間
月曜日 午後は心理臨床センターでカウンセリングを行い、夕方から家庭教師のアルバイトに向かいます。
火曜日 学外実習。心療内科で復職支援などに参加させていただき、カルテ作成の手伝いなども行います。
水曜日 朝から晩まで授業がある忙しい1日。授業後に先生や仲間と食事に行くことも楽しみのひとつです。
木曜日 夕方まで研究室で修士論文やカウンセリングの勉強。その後、家庭教師のアルバイトに行きます。
金曜日 中学校の別室登校の生徒をサポートするアルバイトに行き、その後、大学院で授業を受けます。
土曜日 午前中は心理臨床センターでカウンセリングを担当。夕方からはスーパーヴィジョンを受けます。
日曜日 日曜日は完全休日。家でゆっくり過ごしたり、友人と外に遊びに行ったりします。

社会人入試で入学した大学院生のインタビュー

ケアを受けるクライエントの視点で、 こころのケアの意味と価値を追究したい。

大学卒業後、生活協同組合や保険会社などでの仕事を続けてきました。退職を機に、自分の自由な時間を「人と深く関わるための学び」に使いたいと考え、他大学で開講されていたグリーフケアに関する講座を受講しました。グリーフケアとは、親しい人との死別を体験した人の喪失感や悲しみに寄り添うことです。その学び進めるなかで、人のこころの仕組みを理解し、こころに寄り添う臨床心理学の知識の必要性を感じるようになり、大学院を目指しました。現在は、人生の根源に関わる悩みに寄り添おうとするスピリチュアルケアと、臨床心理士によるケア、そしてグリーフケアの比較研究をすすめています。それぞれのケアの特徴や有効性をクライエントの視点から明らかにしたいと考えています。

● 社会人入試で受験した藤野さんの大学院入学までのステップ
STEP1 退職を機に学びを再開
大学卒業後から2015年まで仕事に従事。退職後すぐに、グリーフケアの勉強を始め、臨床心理学にも興味をもつようになった。
STEP2 大学院受験を考え始める
2016年には家族の都合で1年間、海外へ移住。2017年の帰国後にグリーフケアの勉強を再開し、大学院受験も本気で考え始めた。
STEP3 受験準備スタート
2017年の夏から予備校に通い始め、受験対策を開始。尊敬する河合隼雄先生と縁の深い京都文教大学大学院を目指すことに決めた。
STEP4 合格
グリーフケアの勉強を続けながら受験勉強にも力を注いだ。2018年2月に実施された春期入試で受験し、合格。
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