学部・大学院

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大学院
大学院生インタビュー

大学院生インタビュー

(プロフィールは2024年4月時点のものです)

やりたいことがない人は、物事をどう決めるのか?
砂だけの箱庭表現から、その思考過程が見えてくる。

進路選択の際に「自分のやりたいことがない」と悩む学生はたくさんいますが、やりたいことがなくても人は何かを選択し、決断して進んでいきます。その思考過程を「砂だけの箱庭」を使って研究したいと考えています。フィギュアは色や造形で好みが出やすいためあえて使用しません。砂の高低差を作ったり、線を描いたり消したりするなど、砂だけでもさまざまな表現ができます。砂を通して意識的・無意識的に表現されたものを分析し、言語化することで、その人が前に進むためのヒントを見つけられると考えています。大切なのは、作品の出来や満足度ではなく、何を考えどんな気持ちで作ったかということです。「結果にたどり着くルート」を明らかにしていくことで、悩む人が前に進むためのルートモデルを示せると考えています。

横山さんの1週間

月曜日 午前はティーチングアシスタントを務め、午後は心理臨床センターでの研修に取り組みます。
火曜日 午前はスーパーヴィジョンを受け、午後は心理臨床センターでの実習に取り組みます。
水曜日 朝から授業。貴重な臨床経験を聞けるカンファレンスが楽しみ。授業後は箱庭研究会に参加します。
木曜日 小学校で実習。子どもたちと関わり、学びを深めます。帰宅後は実習記録を作成します。
金曜日 朝から夜まで授業。空き時間には授業の発表資料の作成や修士論文の参考文献を探します。
土曜日 カウンセリングを担当。面接が終わったら並行面接者と共有し、しっかりと記録を作成します。
日曜日 休息日。家でゆっくり過ごしたり、街に出て外食や買い物を楽しむなど楽しい時間を満喫!

宗教観、死生観がアドバンス・ケア・プランニング(ACP)に与える影響を追究。

緩和ケアとは、治療法を考え、痛みをなくし、QOLを上げるためのケアです。アドバンス・ケア・プランニング(ACP)は、患者を主体として、家族や医療ケアチームが本人の望む生き方の意思決定を支援する取り組みです。私は、患者・家族、医療従事者の宗教観、家族観、死生観がこの治療にどのような影響を与えるのかを研究したいと考えています。近年では、緩和ケアのチームに心理士が加わることも増え、その役割が注目されています。がんと診断された患者さんやご家族の精神的な負荷が大きいことはもちろんですが、多くのがん患者と関わる医療従事者の方々の精神的な負荷も見過ごしてはいけません。この研究を通してその実態を知るとともに、医療従事者を対象とした心理的支援のあり方についても考えていきたいと思っています。

今井さんの1週間

月曜日 幼稚園で実習。子どもの知的・心理的・身体的な発達に関するさまざまな気づきが得られます。
火曜日 午前中はのんびり過ごし、午後は心理臨床センターでカウンセリングを担当します。
水曜日 ゼミで研究内容を発表したり、実習やケースについて話し合うなど、授業が詰まった1日です。
木曜日 精神科クリニックでアルバイト。医療従事者や他大学院の院生と意見交換ができ、学びの多い1日。
金曜日 午前中は担当するカウンセリングの勉強や資料作成。午後は学外でスーパーヴィジョンを受けます。
土曜日 心理臨床センターでカウンセリングを担当。空き時間に共同担当者との打ち合わせもあります。
日曜日 休日は家族や友人とリフレッシュ! 学会や勉強会にも積極的に参加し、充実した時間を過ごしています。

自傷行為における「カッティングの傷跡」の存在意義から回復支援のヒントを探る。

精神的に辛い時に自分の体を傷つける自傷行為。辛い時期を乗り越えた当事者がカッティングの傷跡にどのような意義や価値を感じているのかについて研究しています。大学の卒業論文では当事者3名にインタビューを行い、傷跡が「辛い時期を乗り越えた証」「自分を励ましてくれる存在」などポジティブな側面が大きいことがわかりました。一方で、傷跡を見る周囲の偏見があることや辛かった自分を思い出すといったネガティブな側面もあり、大学院ではそうした辛さとの向き合い方についても追究したいと考えています。傷が消えても、過去の自分が消えるわけではありません。だからこそ、自傷行為をやめた後の心の葛藤を研究することが、過去を含めた今の自分を大切にするための支援のヒントになるのではないかと考えています。

戸田さんの1週間

月曜日 アルバイトで疲れているため、午前中は仮眠。午後は学校でティーチングアシスタントを担当。
火曜日 月1回はグリーフケアの「わかちあいの会」に参加。それ以外は「休む日」と決めています。
水曜日 カンファレンスやゼミがある日。院生が通学する日なので、みんなに会ってお話しできて楽しい1日。
木曜日 お昼から夜まで福祉施設で実習。施設利用者と関わりながら、現場の実際を学んでいます。
金曜日 スーパーヴィジョンで自分のケースについて指導していただき、次のケースに活かします。
土曜日 午後から心理臨床センターでカウンセリングを担当。記録をつけ、並行担当者と共有します。
日曜日 家事・買い物の後は、夕方から宿直のアルバイト。おいしい夕食付きで一人暮らしにはうれしい!

自分らしく生きている人のストレス対処方法がアイデンティティを構築するカギになる。

アイデンティティがストレスコーピング(ストレス対処)に与える影響について研究しています。嫌なもの・ことを考えないようにする回避行動は、逆にストレスがたまるということが先行研究でわかっています。加えて、私が行った質問紙調査では、アイデンティティが明確になっていない人ほど「回避傾向」が高いことがわかりました。こうしたデータから、ストレス発散がうまくできずに悩んでいる人には、アイデンティティを明確にしていく支援がストレスへの対応力を上げることにつながるのではないかと考えています。また、アイデンティティに悩んでいる人には、アイデンティティを確立している人のストレス発散方法を参考にすることで、心の状態が整いやすくなり「自分らしさ」を見つけるきっかけが得られるのではないかと考えています。

菅野さんの1週間

月曜日 朝から教育領域で実習。夕方は心理臨床センターでカウンセリングを担当し、忙しくも充実した1日。
火曜日 午前中はスーパーヴィジョンを受け、午後からは病院でデイケアのアルバイトをしています。
水曜日 朝から授業。論文の進捗やケースについて報告するなど、経験を話し深めあう大切な時間です。
木曜日 午前中は小学校、午後からは精神疾患の方と関わるグループホームでアルバイトをしています。
金曜日 授業の合間に心理臨床センターで研修。仲間とリラックスして過ごす時間も大切にしています。
土曜日 学内で研究の準備やケースの資料を読み返します。勉強会や学会にも積極的に参加します。
日曜日 友達と出かけたり、趣味のカフェ巡りをして心と体を休めます。休むことも大切な自己管理です。
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