学部・大学院

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大学院 概要

研究科長からのMessage

臨床心理学研究科長 濱野 清志

臨床心理学研究科長
濱野 清志

本学の歴史

京都文教大学大学院臨床心理学研究科は2000年の開設以来、心理職専門家を養成する伝統のある大学院として、これまでずっと日本の心理臨床の世界をリードする役割を担ってきました。その間、輩出した臨床心理士、公認心理師は500名を超え、社会のさまざまな分野で活躍しています。

多様な学びと実践

本学の心理臨床教育の特色は、なんと言っても日本で有数の力動的心理療法をベースとした臨床実践を積み重ねてきた教員の層の厚さです。個性豊かな教授陣の存在は、皆さんに実に多様な学びの機会を提供することになるでしょう。大学院では、ベーシックな心理臨床の素養を培うことは当然のこととして、ユング心理学、精神分析、多様な表現法を活用したアートセラピーなどの豊かな臨床の視点を通して、医療現場をはじめ、学校、福祉、発達、子育て、司法、産業、被害者・被災者支援などさまざまな領域で活躍できる力を養います。

本学から全国へ

さらに、2025年度からは3大学院の連携による「ソーシャル・イノベーション人材養成プログラム」をスタートいたします。このプログラムでは、社会課題に開かれた心理職を育成し輩出することを目指しております。これからも、大学院での教育内容をさらに発展させ、日本の心理職を常に活性化する役割を果たしていきますので、日本社会を豊かにする、より高度な心理専門職を目指す人に本研究科の門をぜひとも叩いていただき、私たちの仲間になってほしいと思っています。

大学院 臨床心理学研究科について

京都文教大学大学院は、我が国の先導的なモデル校として
(公財)日本臨床心理士資格認定協会からA評価*を受けている第1種指定大学院です。
公認心理師の理念(学部・大学院の一貫教育)を先取りして実践してきました。

*第1種指定大学院として認定された全国約150大学のなかでも上位に位置する高い水準であること。

医療、福祉、教育、司法、産業など、さまざま分野で、心理査定や心理療法に携わる高度専門職業人が求められています。こうした要請に応えるべく、臨床心理学の成果を社会に還元するのが臨床心理学研究科博士課程(前期・後期)の使命です。「人間」への理解を深める実践的なカリキュラムを設け、人間心理に関する高度な能力を備えた専門家の育成をめざします。

大学院 臨床心理学研究科の5つの特色

1. 体系的な学びと心理臨床家養成の歴史

本研究科では、精神分析、ユング心理学、芸術療法など深層心理学にもとづく本格的な力動的心理療法を学ぶ機会に恵まれています。意識と無意識の相互作用の不思議さを学ぶことにより、人間理解がより深まることになるでしょう。また、これらの学びを通して、臨床心理学の教育で一番重要ともいえる自分自身の心の成長を感じ、自分自身の心の成長とクライエントの心の成長が不即不離の関係にあることを実感するでしょう。
本学は、元文化庁長官、京都大学名誉教授である河合隼雄氏の指導のもとに、1996年にほぼ日本最初というべき臨床心理学科を設立しました。2000年に臨床心理学研究科修士課程、2003年に博士後期課程を設立し、学部から博士課程まで一貫した心理臨床家養成のための大学として位置づけられます。そして、2008年には日本で最初の「臨床心理学部」を創設しました。
心理臨床家を養成するための大学、大学院として新しくデザインして創設した大学であることが特徴です。臨床心理士は大学院修士課程を中心とする資格ですが、公認心理師は学部と大学院を連動させた制度です。本学はすでに1996年から公認心理師の制度を先取りし、学部と大学院を繋いだ学びを実践していたといえます。

2. 多様な領域の心に触れるカリキュラムと
専門性豊かな教員陣

本研究科では、人の意識だけではなく無意識の心のはたらきをも視野に入れた本格的な心理療法実践ができる人材を養成することを目標にしています。また、実践において医療、福祉、教育、司法、産業という多方面で応用できるようなカリキュラムを工夫しています。
また、教員スタッフは多様な専門性を持ち、医療、福祉、教育、司法、産業といった公認心理師5領域をカバーしています。そして、本学の専任教員は、臨床心理士・公認心理師の有資格者が多く、その数は全国でもトップクラスです。そういった教員のゼミにおける個別指導はもちろん、全教員が院生全体をサポートし指導する仕組みをとっており、さまざまな領域における実践活動を経験豊かな教員スタッフとともに経験することで、幅広い視点を獲得するとともに知識を深めることができます。

3. 「学内実習」「学外実習」とスーパーヴィジョンで経験を培う

心理臨床センターでの「学内実習」

本研究科では、2年間の長期にわたり、継続的に臨床実習に取り組みます。人の心の成長過程を観察し、その変化を感じ取るためには実習現場での長期的な関わりが重要です。学内実習は、博士前期課程1回生の5月から始まります。まずは本学の附属「心理臨床センター」で受付業務などのマナー教育を学びます。電話対応においても専門的な知識や素養が必要となるため、クライエントとお会いする最初の一歩として多くの学びを得られる場となります。1回生の9月からはケースを担当。スーパーヴァイザー(現場の専門家)の指導・アドバイスも受けながら、実際にカウンセリングやセラピーを担当し、カウンセラーとしての第一歩を踏み出します。

多領域に渡る「学外実習」

博士前期課程1回生の6月から、学内実習と並行して「学外実習」が始まります。実習先は幼稚園や小学校などの教育機関、精神科や神経科などの病院・クリニック、さらには福祉施設、司法領域などさまざま。2年間継続して学外実習に取り組み、少なくとも3領域の経験を積むことができます。公認心理師養成カリキュラムの基準である450時間以上の実習機会を設けています。
さらに、本学の附属機関「産業メンタルヘルス研究所」での研究活動や発達障害児へのグループセラピーなど、課外での実習の機会も豊富に設けており、多くの経験を積むことができます。

スーパーヴィジョン ー学内・学外でのサポートー

指導の要は各ゼミ担当教員です。ゼミ担当教員には、大学院生活や研究活動だけではなく、実習やカウンセリングについてもいつでも相談することができます。また、担当教員だけではなく、全教員からもサポートを受けられます。
さらに学外の専門家からも個人スーパーヴィジョンを受けるシステムを作り上げています。これらの専門家は本学教員スタッフがしっかりと選んだベテラン臨床心理士ばかりです。カウンセラーになることへの不安や悩みも十分に受け止め、指導します。

4. 課外での学びを深める

学会を多数開催

本研究科では学会を多数開催してきた実績があります。

京都文教大学が主催した主な学会

  • 2000年度 日本心理臨床学会 第19回大会
  • 2005年度 日本芸術療法学会 第37回大会
  • 2009年度 国際箱庭療法学会 第20回大会
  • 2013年度 日本遊戯療法学会 第19回大会
  • 2015年度 日本ユング心理学会 第4回大会
  • 2016年度 精神分析的心理療法フォーラム 第5回大会
  • 2016年度 日本コラージュ療法学会 第8回大会
  • 2017年度 日本スピリチュアルケア学会 第10回大会
  • 2018年度 日本芸術療法学会 第50回大会

海外交流の豊富さ ―国際的心理療法訓練機関との交流

本研究科は教員スタッフの豊富さのおかげで、海外の情報や経験に大学院生のうちから触れることができます。精神分析、ユング心理学、ボディ・ワークなど海外の著名な心理臨床家が本学を訪れ、講演や研修会を行います。スイス・ユング研究所に参加交流する企画もあります。

これまで招聘された海外講師陣(抜粋)

講師名 専門 講演・ワークショップの内容
Murray Stein、Doris Lier、Kristina Schellensli、Lucienne Marguerat チューリヒ・ユング研究所とISAP(チューリヒ国際分析心理学研究所)の指導分析家 ユング心理学についての基本的理解と現代における新しい臨床課題について、オンラインによって連続講義シリーズを学ぶ
Anni
Bergman
フロイディアン・ソサイエティ
精神分析家
分離・個体化研究を踏まえた母子に対する
心理プログラムについて
Fred
Pine
アルバート・アインシュタイン 医科大学終身教授
フロイディアン・ソサイエティ 精神分析家
心理臨床と4つの心理学
James
Hillman
元型的心理学の創始者 心理療法における“美”
Aesthetic Aspect of Therapy
Robert
Bosnak
Embodied Imagination®法の創始者
ユング派分析家
「体現的ドリーム・ワーク」セミナー

※その他、多数開催

5. 充実した研究環境とネットワークの広さ

本研究科では博士前期課程の1学年を30名定員とし、博士後期課程の全学年をあわせると毎年66名前後の大学院生が切磋琢磨して学び合っています。共同研究室には全員に個人机とロッカーが支給され、共有スペースにはリラックスできるソファや簡単な炊事ができる給湯室も完備。大学院専用図書室もあり、洋書を中心に臨床心理学に関連する専門書・文献が充実。また、研究活動と実習などで忙しい大学院生活の空き時間を有効に活用できるよう、有給で学部生の授業の教育支援を行うティーチング・アシスタント(TA)の機会も設けています。修了生・教員による「京都文教心理臨床学会」もあり、修了後も本研究科での出会いが貴重なネットワークとなってつながっていきます。

大学院共同研究室
大学院専用図書室
個人机
談話室
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