大学の紹介

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文部科学省平成20年度
「教育GP」に採択

本学の取り組み『文化コーディネーター養成プログラム
〜「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム」を活用した実践的人材育成教育〜』が文部科学省平成20年度「教育GP」に採択されました。

取組の概要

文化のスペシャリストとして地域社会に貢献する「文化コーディネーター」を育てます。

文部科学省平成20年度「質の高い大学教育推進プログラム(教育GP)」に、本学の取組『文化コーディネーター養成プログラム ~「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム」を活用した実践的人材育成教育~』が採択されました。この取組は、文化資源・文化情報に関する総合的な情報知識力・技術力・企画推進力を備えた文化の専門家として地域や社会に貢献する「文化コーディネーター」の養成を目的とした文化人類学科教育充実のためのプログラムです。
具体的には、本学が取り組んできた地域連携型大学博物館「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム」を整備し、その活動をカリキュラムに組み込むことによって、これまで実施してきた(1)博物館学芸員・社会調査士の資格課程教育、(2)フィールドワーク実習、(3)地域密着型共同プロジェクトという3つの教育プログラムをリンクさせます。それによって、モノ・ひと・地域を結びつけ、地域の「文化力」を活性化させる総括的な力をもった「文化コーディネーター」の育成を目指します。

地域文化を結集させ、新しい価値を創造する 「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム」。

本プロジェクトの中核となる「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム」では、web上につくる「ヴァーチャル・ミュージアム」と、地域と連携した移動博物館「モバイル・ミュージアム」という2つのミュージアムによって、地域の「文化力」を結集し、新たな価値の創造を目指します。「ヴァーチャル・ミュージアム」は、本学の文化人類学科webサイト上に構築され、大学の文化資産、フィールドワーク実習による国外・国内調査地の社会文化情報、地域の伝統的文化・技術、地域住民がもつ文化資源等のデジタル情報化と情報発信を行います。一方、「モバイル・ミュージアム」は、地域の小中学校、福祉施設、文化諸団体、商店街等の要請に応じてテーマを設定し、各施設や本学のサテライト・キャンパスにおいて展示企画やワークショップを実施します。こうした2つのミュージアムに関わる活動を通して、新しい地域文化の創造に寄与する人材を育てます。

文化コーディネーター養成プログラム
~「モノ・ひと・地域を生かす大学ミュージアム」を活用した実践的人材育成教育~」

取組の目標

「文化コーディネーター養成プログラム~「モノ・ひと・地域を生かす大学ミュージアム」を 活用した実践的人材育成教育~」の取組では、次の3つの成果を目標としています。」

2010年度に開講する講座一覧

1.文化資源、文化情報を扱う高度な知識・技術を備えた人材を育成。

地域連携型大学博物館「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム」を利用した実践的な活動を授業に導入。教育内容をいっそう充実させることによって、実社会との関わりのなかで身につけた文化資源・文化情報を扱う総合的な実践力を社会で活かして活躍する人材、また大学院へ進学して、さらに知識を深め、高度な技術を学んで上級学芸員の資格取得を目指す人材を育成します。

2.文化コーディネーターとしての専門分野を明確にし、キャリア構築に結びつける。

「文化コーディネーター」のなかに、「多文化共生」「日本文化」「地域づくり」「生涯学習」「社会調査」の5つの専門分野を設定。学生がこの教育プログラムで習得した実践力を十分に発揮できる分野を認定することによって、具体的なキャリア構築に結びつけます。

3.学部の博物館学芸員講座の充実を図り、大学院教育と連結させる。

このプログラムの基盤に博物館学芸員講座を据え、「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム」を整備・活用します。博物館学芸員講座を学部教育のうちに位置づけ直すことによって、文化人類学科が目指す文化の専門家養成のための教育プログラムを充実させるとともに、学部教育と大学院教育を連結し、大学院に上級博物館学芸員講座を設置する構想の基盤をつくります。

文化人類学科の人材育成目的との関係

京都文教大学人間学部文化人類学科では、設立以来「フィールドワーク実習」を必修科目としてカリキュラムの基軸とし、国際社会で求められる異文化理解力とコミュニケーション能力をもつ人材の養成を目指してきました。さらに、本学人間学部の「現場主義教育充実のための教育実践~地域と結ぶフィールドワーク教育~」(平成19年度「特色ある大学教育支援プログラム」に採択)の地域密着型共同プロジェクトによって現場主義教育を進め、「社会人基礎力」を備えた人材の育成に力を注いできました。本取組は、この「社会人基礎力」に「社会的実践力」を結びつけ、文化の専門家として地域や社会に貢献できる能力を備えた人材の養成を目的に、教育の充実を図るものです。

目的達成のための教育課程・教育方法

京都文教大学人間学部文化人類学科では、設立以来「フィールドワーク実習」を必修科目としてカリキュラムの基軸とし、国際社会で求められる異文化理解力とコミュニケーション能力をもつ人材の養成を目指してきました。さらに、本学人間学部の「現場主義教育充実のための教育実践~地域と結ぶフィールドワーク教育~」(平成19年度「特色ある大学教育支援プログラム」に採択)の地域密着型共同プロジェクトによって現場主義教育を進め、「社会人基礎力」を備えた人材の育成に力を注いできました。本取組は、この「社会人基礎力」に「社会的実践力」を結びつけ、文化の専門家として地域や社会に貢献できる能力を備えた人材の養成を目的に、教育の充実を図るものです。

教育課程:科目履修と「モノ・ひと・地域を生かす大学ミュージアム活動報告」の提出

「文化コーディネーター養成プログラム」は、科目履修と「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム活動報告書」の提出を要件とし、文化情報教育コミッティの審査にもとづいて、「文化コーディネーター養成プログラム」の修了認定を行います。

教育課程:科目履修と「モノ・ひと・地域を生かす大学ミュージアム活動報告」の提出

教育方法:大学ミュージアムの整備・活用による授業の充実

本取組の中核となる「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム」は、従来の研究・保管・展示型博物館や大学資産公開型の大学博物館ではなく、「ヴァーチャル・ミュージアム」の構築と「モバイル・ミュージアム」の活動を通して、地域の「文化力」を結集し、新たな価値を創造する装置です。現在の博物館学芸員講座資料保管・作業室に機材を整備し、「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム」の活動拠点とします。実社会との関わりのなかで実践的な力を養うために、以下の履修科目に「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム」の活動を取り入れて授業内容の充実を図ります。

  • フィールドワーク実習:フィールド調査の成果を地域の小中学校で企画展示する。
  • 文化人類学演習・卒業研究演習:地域密着型共同プロジェクトを大学ミュージアム活動と連携させる。
  • 博物館実習I:大学と地域の文化資産のデジタル情報化によるヴァーチャル・ミュージアムの構築および宇治市歴史資料館との連携による学内での展示企画を行う。
  • 博物館実習II:これまでの外部博物館での実習に加えて、モバイル・ミュージアムによる京都府内の病院、老人ホーム等の福祉施設での展示企画・ワークショップを行う。
  • 生涯学習論:授業のなかに、京都文教大学サテライト・キャンパスを利用した地域住民の各種文化情報の発信のサポート事業を組み込むことにより、現場教育を充実させる。
  • 博物館各論(博物館資料論・経営論・情報論):文化行政に関する総合的な知識、資料の作成・保存・修復・発信の基礎的な技術、文化施設の経営や展示、ワークショップ等の企画推進のためのマネージメント力を養成する。学んだ知識を狭い意味での「博物館」業務に限定せず、一般社会に広く応用できるよう科目担当教員が連携して授業内容を充実させる。

取組の実施計画について

取組の全体スケジュールおよび各年次の実施計画は次の通りです。

取組全体のスケジュール

各年次の実施計画

平成20年度後期

  • 1. 本学ウェブ・サイト上にヴァーチャル・ミュージアムを構築するためのハード(スタジオ、機材等)の整備とともに、大学資産(大学教員や学生がフィールドワークによって収集した資料等)、地域の文化資源(宇治市歴史資料館より管理委託されている土屋コレクション等)のデジタル情報化を行い、ヴァーチャル・ミュージアムでの公開準備を実施します。
  • 2. モバイル・ミュージアムの活動としては、博物館実習IIにおいて、宇治市内の福祉施設で土屋コレクションを利用した「昔の教科書展」、アフリカ・フィールドワーク実習の一環として、小学校でのワークショップ「タンザニア・キリマンジャロ山麓で世界について考える」、インド・フィールドワーク実習コースと「インド日本友の会」との共同企画による「東インド古典舞踊オリッシィ・フェスタ」をサテライト・キャンパス宇治橋通りで行います。また、商店街の祭り等で地域密着型共同プロジェクトの諸活動の企画展示を実施します。
  • 3. 本学では、学生・卒業生による宇治地域地蔵研究チームが、地蔵をキャラクターとした「うじぞー」グッズを宇治橋通り商店街オリジナルグッズとして販売しており、こうした地域の文化資源をアピールするグッズの開発も、さらに進めていきます。
  • 4. 年度末に、「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム活動報告会」と本取組の評価についてのアンケート調査を実施します。

平成21年度

  • 1. ヴァーチャル・ミュージアム上に、教員・学生のフィールドワークの成果にもとづく「世界で学び地域で伝える」コーナーと、地域の文化を内外に伝える「世界遺産のあるまち:京都からの発信」コーナーを開設します。
  • 2. 博物館実習Iの一環として、学内で宇治市歴史資料館との共同企画「巨椋池防災マップづくり」(展示とワークショップ)、博物館実習IIの一環として、福祉施設で土屋コレクションを利用した「昔の鉄道旅行展」、生涯学習論の一環として、サテライト・キャンパスで「地域のサークルと学生のコラボ展」、フィールドワーク実習(中国/インド/アフリカ)の一環として、地域の小学校で中国、インド、アフリカの企画展示とワークショップを実施します。また、商店街の祭り等での地域密着型共同プロジェクトの企画展示や地域グッズづくりも継続して行います。
  • 3. 年度末に、「モノ・ひと・地域を活かす大学ミュージアム活動報告会」と本取組の評価についてのアンケートを実施します。

平成22年度後期

  • 1. ヴァーチャル・ミュージアムの構築を継続します。また、地域の諸団体との共同企画によって、博物館実習I(宇治市歴史資料館との連携により学内で展示企画)、博物館実習II(福祉施設でモバイル・ミュージアム)、生涯学習(サテライト・キャンパスでモバイル・ミュージアム)、フィールドワーク実習(地域の小中学校で展示とワークショップ)、商店街の祭り等で地域密着型共同プロジェクトの企画展示を行います。
  • 2. 年度末に「文化コーディネーター養成プログラム」を振り返る総括シンポジウムを実施します。文化情報教育コミッティと文化コーディネーター評価委員会が各種アンケート調査および聞き取り調査を行い、取組の実績と評価について報告書を作成して、次年度以降の計画を策定します。
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